5.体育祭…？ ページ26
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「本当に行くのかい？体育祭なら、家でも見れるけど…」
「うん、直接みんなを応援したいから。ここまでありがとう」
体育祭当日。
いつもはバスや電車を使って登校するこの道のりを今日は父の送迎でやって来た。
そして、時間はいつもより少し遅い。
私はマスクをして咳込みながら保健室へ行く。
西森A。風邪をひきました。
どうしてこうなるのか。
昨日お父さんに宣言した言葉を取り消したい。恥ずかしすぎる。
昨日は早く寝た。いつもより早く寝た。健康的に過ごした。
それなのになんで。
重い体を連れながら、保健室へと向かう。
先生には連絡してある。
風邪をひいた、熱も高いと言うと深いため息をつかれた。
そりゃそうだ。
こんな大事なイベントに生徒が風邪で参加しない。
2回目だこれで。先生もため息つくさそりゃ。
熱は朝測った時は、38.6だった。とてもじゃないけど動けない。
体温のせいで炎の温度もあがりそうだ。
熱が出ても参加したいという気持ちもあったが、父の全力反対と私の周りに風を移してはダメだという自制心から、今回の体育祭を断念した。
保健室に来る前も何回も咳とくしゃみをした。これはだいぶ酷いみたいだ。
保健室につき、扉を開く。
保健室に来るのは初めてだ。出来れば来たくなかった。怪我も病気もない1年を過ごしたかった。
「ありゃ、来たかね」
「すみません、リカバリーガール。保健室お借りしちゃって…」
「いいんだ。テレビはある、これで体育祭もバッチリじゃよ。熱が下がれば会場で応援することもできる」
それは初耳だ。
全力で下げる。下げて、応援には行きたい。
力みすぎると熱は上がりそうだが、つい力んでしまう。みんなの元に行きたくて。
雄英高校の一大イベント。
ここで活躍すれば、スカウトも来る。
ヒーローに近付く1歩目だったのに。
ベッドに身を入れながらため息をつく。
熱を下がらせる個性持ち居ないかな…
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作者名：kyon x他1人 | 作成日時：2021年5月22日 21時
