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「ほぼ全員無事か」
あれから警察が到着。
相澤先生と13号は病院に、オールマイトと出久くんは保健室に。
私たちは警察に点呼されながら、待つ。
手首はまだ痛むが、だいぶ引いてきている。このペースで治るなら、2時間後くらいには完全に治るだろう。
私の怪我にリカバリーガールを使うより、オールマイトや出久くんに使ってほしい。
自分の行動を各々に話す。ゾーンに何人いたとか、どんな戦い方したとか。
私も終わったのだと胸を撫で下ろす。
あの世界を知るにはまだ早すぎたと思う。
まだ訓練も何もしていない状態で襲撃にあうと、自分が無力だと痛感させられる。
雄英高校に合格したからといって、偉いわけでも強いわけでもない。
そして、ヴァッサゴ。
また、現れるだろうか。もう２度と会いたくないが、あの日の決着をつけたいとも思う。
かっちゃんには悪いことをしたな。
あと、轟くんも少し巻き込んでしまった。
ため息一つつく。重い。
私の周りだけが、異様に空気が重い。
「Aちゃん、大丈夫？」
「麗日さん…私は大丈夫だよ。麗日さんこそ大丈夫？」
「私は平気だけど、Aちゃんしんどそうやったから」
心配そうな目で見つめてくる麗日さんに申し訳ない。
大丈夫だ。こんな所で弱ってられない。
無理やり笑顔を作り、何とか誤魔化す。
昔からこういうのは得意だった。
麗日さんも安心した顔で頷き、出久くん心配やね、と話す。
重症だと聞いたけど、出久くんは大丈夫なのだろうか。
もうリカバリーガールの治療を受けたのだろうか。
そして、相澤先生と13号、オールマイト。
生徒の為に身を呈して戦ってくれた。
教室に戻って、時間が経つと事情聴取が始まるだろう。
その時、ヴァッサゴの事を話す。
このヒーローが忙しい社会に、何か役に立てるように。
みんなが動き出したので、私も着いていく。
たまに隣に人が来て、一言二言話していく。
前方にかっちゃんと轟くんが見える。
巻き込んでしまったこと、後で謝らないと。
脳裏にヴァッサゴが浮かぶ。
あの縄、強烈だ。今後厄介な人物になりそうだ。
「……？」
ヴァッサゴの個性は縄？
縄を自分の個性のように使っていたから気付かなかった。
あの日のヴァッサゴは、縄なんて使っていなかった。
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作者名：kyon x他1人 | 作成日時：2021年5月22日 21時
