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13号のステキな言葉により、一層やる気が出てきた。
いざ、訓練を開始しようかという時。
背後に…と言ってもかなり離れているが、不気味な、今まで感じたことない空気が流れてきた。
思わず後ろを振り向く。
黒いモヤ…訓練？それとも、何かの…
「一かたまりになって動くな！！」
「…え？」
「13号！！生徒を守れ」
相澤先生の今まで聞いた事のない声。
動くなという生徒たちへの指示と、13号への言葉。
その途端、黒いモヤから大量の人。敵。
あの不気味な空気は、彼らの殺意。
奇しくも、命を救える訓練時間に私たちの前に現れた、敵。
プロが何と戦っているのか、何と向き合っているのか。
それは、途方もない悪意。
初めての訓練に初めての敵。
平和の象徴を殺す、つまりオールマイトを殺すということ。
何をどうしてオールマイトを殺すのか。
ただの批判か、それとも殺せる策があるから来たのか。
怖くて、足が動かない。
侵入者用のセンサーはあったはず。でも、それが反応しない。
きっと電波を妨害できるような、そんな個性持ちがいる。
「校舎と離れた隔離施設、そこに少人数が入る時間割」
「バカだがアホじゃねぇ。これは、何らかの目的があって用意周到に画策された奇襲だ」
轟くんの言う通りだ。
何もかもが此方に不利な状態。
オールマイトがいない、ただそれだけが敵の誤算。
敵は、お遊びでやってるんじゃない。
「先生…1人で戦うんですか？」
相澤先生は1人で向かおうとする。
あの数に1人。
しかも、奴らはオールマイトを殺そうとしている。
相澤先生がプロヒーローでも、それは…
「一芸だけじゃヒーローは務まらん」
ごちゃごちゃ言う私たちにたった一言。
それだけを言い残し、相澤先生は敵へ突っ込んでいく。
危ない。そうは思っても実力不十分な私にできることは何もない。
「西森くん、早く避難を！」
ただ棒立ちしている私に飯田くんが声をかける。
そうだ、私に出来ることは、相澤先生の言うことを聞くこと。
早く、避難しないと。
怖くて震えて動かない足を何とか動かし、みんなが集まる場所へ行く。
が、一難去ってはいないがまた一難。
悲劇はまだ続く。
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作者名：kyon x他1人 | 作成日時：2021年5月22日 21時
