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浅い呼吸を繰り返しながら、流れてくる赤いソレに怯える、背骨の浮き立つ背中を擦った。
「もうちょい、我慢しろ、」
銃声に気付いた章ちゃん達が来るはずだから。
いくら平常心でいる俺でも、人体に不可欠な液体が抜けていっている訳で、だんだんと華奢な背中にピントが合わなくなってくる。体を震わせて何か言っているが、小さくて聞き取れない。
ドタドタと足音を立てながら章ちゃん、すばるくん、マルが走ってきた。
救急道具を小脇に抱えたマルが止血道具を取り出す。
「俺は、後で、いいから、先、そっち、」
「え、こっちの子の方が先？ちょ、亮ちゃん、亮ちゃんっ、」
全身の力が抜けたかと思うと、ぐるりと視界が回り、黒く染まっていった。
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作者名：柳 | 作成日時：2021年3月2日 17時
