Butterfly I Loved 【黄緑】 (ページ15)

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鎖ページ15

きらきらしたふくをきせられて、こわいひとがたくさんいるところでおどった。

だれもみてくれんかった。ひとりぼっちやった。

さみしくて、くるしかった。

せやけど、だれかがぼくをみているのをかんじた。

あのひとはおらん、ぜったいにちがうっておもったけど、あのひとやったらええな、とおもって、みてしもうた。

しんぞうがきゅってなって、きゅうにかおがあつくなった。

やっぱりあのひとやった。

ぼくがずっと、いてほしいっておもってたひと。

ぼくがいつも、さがしてたひと。

おっきいおとこのひとがはなしかけてきて、こわくてなんにもできんかった。

てもふるえてきて、あたまがまっしろになった。

おとこのひとがこっちにきて、どっかにつれていかれるとおもった。

またへんなことされるんか、こわなった。

せやけど、あのひとがたすけてくれた。

ずっと、とおくからやったけど、ちかくでみたら、やっぱりかっこよかった。

ぼくのてをつかんで、にげようとしてくれた。

ぎゅっとされたんは、ちょっとこわかったけど、うれしくて、くすぐったくなった。

ぱあん、ぱあんって、“じゅう”のおとがした。

このおとは“じゅう”のおとなんや、ってまえのところでおじさんがおしえてくれたから、“じゅう”やってわかった。

そしたら、きゅうにおなかがいたなって、ちからがぬけてった。

あのひとがにぎってくれたても、はなしてしもうた。