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我に返り、目に焦点があってきた大倉が、今更驚いたように
「あー!もー、何これー!何でこんなん亮ちゃんが持ってるーん、」
「あ!ちょ、取るなってお前!なんやねんせっかく塗ったのに」
顔を背けて拗ねたように唇を突き出すも、なんだかんだ取ろうとする素振りは見せない。
幼い子供のようで、なんだか可笑しくなってしまい吹き出した。
「何で笑てんねん、何も可笑しないわ…、はぁっ!これ塗るからさっきあんなキスしたん!?」
「当ったり前やろ、塗ったらキスできひんやん」
「何なんもぅ、」
「ええやんけ別に、むっちゃ綺麗やと思うけど」
少し頬を赤らめた後、うつむきながら
「キスして欲しいって思ってたら、丁度亮ちゃんからして貰って嬉しかったのに…」
とか小さく言うもんだから、勢いよくルージュにかぶりついた。
「んんっ、ゃ、
くちべに、ついてまうから、
りょ、ちゃ、
ん、ふっ、」
「ぷはっ、ほらー、亮ちゃんにもついたで、どないするーん」
「どないすると思う、大倉君?」
「何するん?」
「もう口紅関係ないやろ?せやから、こうするに決まっとるやん」
「わっ、」
そんなん聞かんでもわかっとるやろ?もっかいキスするに決まっとるやんなぁ、大倉君?
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作者名:柳 | 作成日時:2021年3月2日 17時