憧れの終着点を

・ 渡辺side ページ26

名古屋に来てから2回目の休演日。




観光でもしよっかなと思ってAに誘ってみたけど、用事があるから東京戻ってる、なんて言われて断られた。





「あっこの事誰にも言わないでね。」






そんなこと言うもんだから余計怪しい。





東京戻るほど大事な用事ってなんだよ、ドラマが決まったとか？それにしてもなんで誰にも言ったらダメなんだよって思いながら、1人で名古屋散策することにした。






一通りブラブラして、しょうがねーからAに土産でも買って、そろそろホテルに戻ろうかなと思った時に電話が鳴った。





「もしもし、翔太？ 今1人？ 今時間あるかなぁ、ちょっと話長くなるんだけど…」





電話に出たら、いつもより低い声でどこか悲しげに話すAだった。





長くなるって言うから、近くにあった小さな公園のベンチに腰掛けた。





「あのね…」





そこで聞いたのは衝撃的なことだった。

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