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勝利「おおおおぉぉ、久しぶりに来たぁぁぉぁ」
風磨「おおおおぉぉ、久しぶりだぁぁぁ」
そして、今度の土曜日というものはあっという間にやってきて 出かける準備をしていたら、案の定風磨くんも一緒に行きたいとうるさいので連れて行きました。
変なことしないでね、と約束で。
幽霊だから チケットいらないし、無料だし。
てか、それめっちゃ良くない?
今思ったけどディズニーとか無料で入れるんでしょ?
は、なにそれ、ずる。
勝利「あーでも、結構変わってるねー」
「コーヒーカップなくなってる…」
園内の中央にあったコーヒーカップのアトラクションは綺麗になくなっていて、綺麗なラベンダー畑になっていた。
勝利「ラベンダーじゃん!!」
風磨「うぇ!!ラベンダーだ!」
勝利、もしかして風磨くんのこと見えてんの?ってくらいさっきらシンクロしてる。
8年前と比べて すっかり景色が変わってしまった。
言ってしまえば 白黒だった絵に絵の具が付け足されたようで、鮮やかで あのときよりも賑わっているのに、どこか足りないような…
思わず、ラベンダー畑をキラキラした目で見つめる風磨くんにスマホをかざして、カシャッと一枚写真を撮った。
「ぇ……なんで、……」
確かに 風磨くんにスマホを向けたはずなのに、写真の中に風磨くんはいなかった。
ラベンダー畑の風景画。
風磨くんは幽霊だから…?
もう生きていないから…?
写真には映らないの…?
勝利「A、なんか乗りたいものある?」
「……あ!私、あれ乗りたいな!」
無理矢理笑った。
本当は涙が出そうなくらいショックで悲しかった。
私以外の人間には見えないってことくらいしか、幽霊っぽいところなかったのに 急にこんなことされると 心が苦しくなるんだよ、バカ……
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作者名:ゆう | 作成日時:2020年9月29日 22時