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「んん……」
起きた。
目がぱちっと合う。
もう時刻は0時を回ったところ。
相変わらずAはよく眠る。
風磨「体調、大丈夫…?」
「……ぅん、」
力なさそうに返事をするAが自分の額に手を置いた。
「あ、れ……」
風磨「冷えピタ。体温計と一緒のところに置いてあったから俺が貼った。」
「……そっか…」
目の前にいるのはAなのに
どうして こんなにも遠く感じる…?
あんだけ一緒にいたじゃんか、
風磨「あ、腹減った?」
「ぇ……?」
風磨「お粥作ったんだけど……食べられるならあっため直すから…」
作ったお粥も もうすっかり冷めてしまった。
お粥なんて人生で初めて作った。
小さい頃 熱を出したときよく母親が作ってくれた。
これがすっげぇ美味くて、あのときの俺は 風邪を引いてもお粥が食べられる!なんて呑気に喜んでた。
だから、見様見真似で作ったこのお粥に味の保証は出来ない。
もしかしたら、むちゃくちゃ不味いかもしれない。
「たべる……」
小さな声で確かにそう言ったんだ。
風磨「わかった、ちょっと待っててな。」
俺は嬉しいよ、Aのそばにいられるなら。
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作者名:ゆう | 作成日時:2020年9月29日 22時