第7話 僕はバケモノ ページ8
僕はあの後どうなったか知らない
ただ、自分の右腕に切られたような傷がある・・・
ザッ
人の気配がし、僕が顔をあげると目の前にいたのは一人の男だった
彼は僕を見ると、まるで恐ろしい者を見るような顔をしあわてて逃げて行った
【バケモノ】
そう叫びながら・・・・
自分でも自分が怖くなる・・・
だって今の僕の姿は、バケモノそのものだったから
血のように赤い目
赤い髪がゆらゆらとさかだち
のびに伸びきった血のゆいた爪
獣のような耳まで・・
まるでそれは、凶暴な狼のようで
怖い・・・
この姿の自分も怖いが
なにより、大切だった人を傷つけてしまった僕が怖い・・・
怖くて、怖くてうずくまっている僕の目にとまったのは、一枚の紙
そこには僕にしたことのすべてが書かれていた
獣の血が僕の中を流れている・・・
凶暴な狼と僕が合わさりできたのが
【検体No.168】
なんなんだ・・・僕がいったい何をしたというんだ・・・
もう・・・息をするのもつらい・・
もう、傷つきたくない・・・
傷つけたくない・・・
この日からだろう、僕が人とかかわりたくないという感情が生まれたのは
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作者名:アール(R) | 作成日時:2015年6月21日 20時