story 38 新一side ページ46
正直、Aが心配になって部活サボってついてきた。
1時間程して家から出てきたAの顔はつらそうな表情だった。気になったが今出ていくと説明が面倒だと思い、先に帰ろうとした‥‥‥‥が、
あ「‥‥‥‥‥新一」
新「_______!?」
突然名前を呼ばれ、驚いて思わず声をかけてしまった。
案の定、Aは俺を見た瞬間固まっちまった。すぐに戻ったけどな。
なんでここに?って聞かれて言葉を濁した。
心配でついてきたとか言えねーし、曖昧に答えておいた。
それよりと言って話をそらす。俺のこと呼んだろ?って聞けば、今度はAが言葉を濁した。
呼んでないって否定してるけど声裏返ってるし‥‥‥‥ホント、嘘つくの下手なやつ。
まぁ、そんな呆れた気持ちもあったが、ほとんどが、話さねェコイツへのイライラで埋めつくされていたため、半ば脅迫に近い感じで観念させた。
あ「‥‥‥‥‥新一はさ、探偵やっててつらい時ないの?」
Aの口から出たのは俺への質問。どーも遺族に聞き込みをしているうちに自分が間違ってんじゃないかと思ったらしい。
Aは優しいやつだ。そう思っても仕方がないのかもしれねーな。だが‥‥‥‥‥
新「‥‥‥‥あるさ。どうしようもなくつらくなる時がな‥‥‥‥けどそれを恐れていれば真実は一生暗闇の中。誰かが見つけなきゃいけねーんだ。」
偽りの真実は悲しみを生むだけだ。本当の真実は悲しみだけではない、遺族は勿論、加害者の未来を少しでもいい方に導いてやることができるかもしれない。だから俺は今やっていることが間違っているとは思わない。
新「俺はオメーが間違っているとは思わねーよ。たとえ遺族につらい思いをさせてしまったとしても前に進ませることができる。それに奥さんは俺達のことを信じてくれたんだろ?なら尚更オメーがそんな顔してたら駄目じゃねーか。」
Aは心のもやが晴れてくように顔を上げ、そうだね、と優しく笑った。
あ「私がこんなにうじうじしてちゃ信じてくれた奥さんに失礼だよね。‥‥‥‥新一、」
ありがとね、そう言ったAの顔はいつもの笑顔に戻っていた。
新「_____っ//」
ま、俺はというと、相変わらずAの不意討ちの笑顔に負け、赤く染まる顔を制服の袖口で隠すことしか出来なかった。
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天音 - 晴空さんすごいですね。題名のセンス、細かい心情、ネタとツッコミの組み合わせ。すごく面白くて物語に引き込まれました。これからも頑張って下さい。 (2019年6月8日 23時) (レス) id: d5e2e87506 (このIDを非表示/違反報告)
晴空(プロフ) - ゆうかさん» ホントですか!?実は私も男口調になりがちです‥‥ (2019年1月22日 7時) (レス) id: 5fb64d8e41 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうか - 面白いですね。実は私も男口調のことがあるので最初らへんは真似したりしていました。 (2019年1月21日 18時) (レス) id: dc0188d79f (このIDを非表示/違反報告)
晴空(プロフ) - 秋華さん» 落ちはあります!"誰と"はバレバレかもしれないですが、一応秘密です笑 (2018年11月8日 12時) (レス) id: 5fb64d8e41 (このIDを非表示/違反報告)
秋華(プロフ) - 夜遅くにすみません…!これはコナン落ちですかね?それとも落ちがないやつですかね? (2018年11月8日 2時) (レス) id: e6ab8a674e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:晴空 | 作成日時:2016年6月4日 17時