▼ ページ24
そもそも神威さんは私をどうしたいのだろう。遠回しで意味深な言葉が多かったせいで考えが纏まらない。
前向きに「艦での仕事振りを良く思ってくれていたのでは」と胃痛を和らげようとするもあの後「先戻ってるから」そう言って去っていかれた神威さん。
本当にどうしたいんですか…！
というか一緒に戻るなんて一言も言っていないのに帰り際のセリフは戻る前提の話し振りだった。
「はぁ…前にした依頼を請け負う条件覚えてるか？」
気怠げな口調の中に真剣なトーンが交わる。
「半年間 神威さん達が私の周りに現れないか、のお話ですよね」
「覚えてんならいいがこれから先どうするつもりだ？」
「…悩んでいまして」
これで万事屋さんとの関係は終了となる。
残された道は限られているも中々直ぐには決め難い。
それに加えて私の中の神威さん像が変わりつつあるのも大きな問題で。元々艦を出たからには戻るつもりはなかったがその覚悟が揺らいできている。
ここまで周りの人を巻き込んでしまっているというのに神威さんの言動一つで「やっぱり戻ります」なんて言えるわけもない。特に星海坊主さんに合わす顔がない。
「何に悩んでるかなんざ知ったこっちゃねえが…
人生生きてりゃ否が応でも周り巻き込んでそんでテメェ自身も巻き込まれてお相子だ。この町の奴ら見てみろ、反省もクソもしてねえで笑って暮らしてやがる」
銀さんはニタリと歯をむき出しにして笑うと、じゃんけんのアイコとかけて両手でピースを作って見せてきた。
勘が鋭いというよりこうなる事がわかっていたような言葉。…自分に嫌気を差して鉛のように重かった胸のつかえが下りていく。
「嫌な顔されたら謝っとけ。
それで駄目ならトンズラすりゃァいい」
「だから坂田さんはパチンコに負けたあと絶対帰ってこられないんですね」
「今いい話してたよね。あれ？してたよね？？」
「とってもいいお話でした。
…坂田さん達にお会いできてよかったです」
頭を下げてお礼を伝える。
話が一段落したところで隣の部屋から足音が近づいてきた。
お粥ができたのかなと両手が塞がっているであろう新八くんを迎え入れる為に起き上がろうとすれば、寝てろと止められてしまった。
「もし出てくなら夜にしとけ。
バカ兄貴の所に戻るって知ったら喧しいのがいるからな」
そう話しながら小指で鼻をほじくった銀さんは深く掘りすぎたのか、鼻から血を垂らしている。
カッコイイ場面が台無しです、銀さん。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 123人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おいも(プロフ) - 紫姫さん» 最後までお読みくださりありがとうございます🐰💓 トリップにも理由があるのかも、と考えた末辿り着いた場所がちょっとしたホラーになってしまいました((🙊)) 不完全燃焼気味のラストでしたが少しでも楽しめていただけていたら幸いです🙇 (2021年9月21日 20時) (
レス) id: 70decc27f6 (このIDを非表示/違反報告)
紫姫(プロフ) - まさかの結末でごっさ驚きました！！そして少し怖かったです(笑) (2021年9月19日 18時) (レス) id: eab8838b37 (このIDを非表示/違反報告)
おいも(プロフ) - カビキラーさん» 最後までお読みくださりありがとうございます(*´ω`) 以前から少し変わったお話を書いてみたかったので驚いてもらえて嬉しいです(∩´∀`)∩ トリップは色んなENDになれる楽しさがあるのでこの後二人が結ばれる世界線もあるかもです…！ (2020年2月17日 20時) (レス) id: 70decc27f6 (このIDを非表示/違反報告)
カビキラー - 神威と結ばれるのかなと思ってたのでオチで驚きました！軽く怖っ！って思いました笑 (2020年2月13日 19時) (レス) id: edf3a1c316 (このIDを非表示/違反報告)
おいも(プロフ) - 氷華さん» わー！ありがとうございます…！ 二人にはまた巡り会ってもらいたいので、もし続編を書く機会があればハッピーエンドにしてみたいです！(´ω`)！ (2019年12月26日 19時) (レス) id: 70decc27f6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おいも | 作成日時：2019年10月16日 19時
