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間の悪い少女と兎少年 ページ28



(side 阿伏兎)


「意外と面白ェな、これ」

「現実にこんな女いね〜かなァ」

ロビーの一角にたむろしていたのは、四角い機械を弄くり回す団員達。目を細め珍しい光景に指先で顎髭を撫でる。
……あぁ、最近一部の連中の間で流行ってるゲームか。
前に一度勧められたがギャルゲー?っつーのはおっさんには理解できねェ代物だったな。

「ねえ、阿伏兎。あいつら何してるの?」

遠巻きにそれを見ていた団長が疑問を口にした。
ひょこり、ひょこり、揺れ動く頭のアンテナを見るに興味があるようだ。

「ありゃァあれだ、あれ。
女を落とすゲームだ」

「女を?」

あんなので女が手に入るの?と笑いながら団員達へ近寄りゃ、団長に気付いた奴等は手を上げて歓迎した。

画面を指差し操作指導を受けると団長はニッコリ笑い、ゲーム機を受け取った。
オイオイオイ、お前ら団長に貸していいのか?
知ってんだろ、うちの団長様は戦場は攻略出来ても女の攻略はできねェって。どうなっても知らねえぞ。

『もう知らない!話しかけないで!』

「……」

『大嫌い!変態!!』

団長、何選んだ? なんの選択肢選んだんだ??
甲高く感情的に叫ぶ女の声に対し団長は無言。笑っちゃいるがありゃァめっぽう腹を立てている。

「団長駄目だって! 女の子には優しくしねーと!」

「ブハハ! いやぁ、団長に女手懐けンのは無理だろ」

腹を抱えて下品に笑い出す団員達に団長はゲーム機を持つ手を振り上げ、そのまま壁へ叩き付けた。

「団長オオオオ!?」

「あ、ごめ〜ん。手が滑った」

「いやいやいや。今明らかわざとだったぞ!」

あーあ、こうなる事わかってただろーに。
騒ぎ立てる連中に、頭を掻きながら溜息を吐く。
団長もまだまだ餓鬼な所があるからな、もう少し大人になってほしいもんだ。

「…何かあったんですか?」

溜息まじりに目の前の光景を眺めていると嬢ちゃんがやってきた。これから寝るとこなのか、寝間着姿だ。

バラバラに砕けちったゲーム機を持ったまま団長に詰め寄る団員達を訝しげな顔で見つけた後、俺が説明するより先に面倒事が起こっている最中だと悟ったようで「お先失礼します!」と、この場を離れようと通路へ踵を返した。

だが、うちの団長様はそれを見逃さなかった。
団員達をあしらう事はそのままに、視線だけ此方に向けているが嬢ちゃんは気付いていないようだ。




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おいも(プロフ) - いるあさん» ああありがとうございます…!!勿体無いお言葉に飛び跳ねてしまいました(´ω`)今なら木にも登れそうです!(∩´∀`)∩! (2019年10月12日 12時) (レス) id: 70decc27f6 (このIDを非表示/違反報告)
いるあ(プロフ) - とても面白いです、評価が少ないのが不思議なくらいです (2019年10月9日 7時) (レス) id: 12f9a783cd (このIDを非表示/違反報告)
おいも(プロフ) - あまいろさん» !!! お読みいただけただけでも嬉しいのにコメントまで…!ありがとうございます!5度見くらいしてしまいました(´ `*)続けて楽しんでもらえるよう精進します!L(´ω`)」! (2019年9月29日 18時) (レス) id: 70decc27f6 (このIDを非表示/違反報告)
あまいろ(プロフ) - とても面白いです!これからも更新頑張ってください!楽しみにしてます! (2019年9月29日 13時) (レス) id: 441f1e9f18 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おいも | 作成日時:2019年4月5日 21時

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