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「メニューにない物はお作りできないので今回はお断、」
「ダメ?」
「ぐっ……!」
やめて下さい、そのあざとらしく首を傾げて子供っぽくおねだりするの止めて下さい…!胸がキュンキュンして爆発しそう。これが顔の暴力…!
フー、フー…落ちついて私の母性本能…!
「そ、そんな顔してもダメです!」
「えー」
そんなガッカリされたら何だか私が悪者みたいだ。
諦めきれないのか神威さんは少し考える素振りを見せると阿伏兎さんに近づいて行き、耳元で何か話し始めた。
身長差があるせいで、阿伏兎さんが屈んでいてなんか親戚の子供に付き合うおじさんみたいで絵面が面白い。
「……ん?…あぁ、………」
横目で阿伏兎さんが私を見る。い、嫌な予感がヒシヒシと……! 今度は阿伏兎さんが神威さんに耳打ちすると話は終わったようで、神威さんが戻ってきた。
私の顔を覗き込むくらい近づいてくる神威さんに一歩後退りすると両手を包むように掴まれた。逃れようと手を思いっきり引くもコンクリートで固められたました?ってくらい抜け出すことができない。
こんなことで怪力発揮しないでください!ビクともしないんですが!!
「───…A、ホントにダメ?」
んんん゛…!? なっ、なな名前呼び…!それに、この体勢でのおねだりはダメですってもう…!!
阿伏兎さん、この人女の扱い方知ってますよ。女を知りゃあーって言ってましたがこれ知ってますよ!
これ大人のお姉さんとか相手にした後です、勘弁してください…!
「て、店長ォ…!」
「ははは」
「店長笑ってる場合じゃないんですけど!」
「でもねぇ、これは…ブクク。作ってあげたらどうだい?」
なに阿伏兎さんと一緒に笑ってるんですか、店長…!私の味方はいないんですか!
「お、美味しくなくても文句は言わないでくださいね…」
「勿論。無理に頼んでるのは此方だしね」
自覚してるなら無理強いは止してほしい。
はぁ…と、漸く解放された手に安堵しつつ明日から作る練習しないと、なんて考えていたらお店の出口へ向かっていた神威さんが振り返り、言った。
「言い忘れてたけど、作り方調べるの禁止。練習するのもね」
「え!?それはちょっと…!待っ、」
「またね」
呼び止めようと手を伸ばすもピシャン!と店の扉を閉め切られてしまった。
そういえば、いつ食べにやってくるかも聞いていない。してやられたと頭を抱える。取り敢えずいつ来てもいいように明日は材料だけでも買い揃えておこう…。
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おいも(プロフ) - いるあさん» ああありがとうございます…!!勿体無いお言葉に飛び跳ねてしまいました(´ω`)今なら木にも登れそうです!(∩´∀`)∩! (2019年10月12日 12時) (レス) id: 70decc27f6 (このIDを非表示/違反報告)
いるあ(プロフ) - とても面白いです、評価が少ないのが不思議なくらいです (2019年10月9日 7時) (レス) id: 12f9a783cd (このIDを非表示/違反報告)
おいも(プロフ) - あまいろさん» !!! お読みいただけただけでも嬉しいのにコメントまで…!ありがとうございます!5度見くらいしてしまいました(´ `*)続けて楽しんでもらえるよう精進します!L(´ω`)」! (2019年9月29日 18時) (レス) id: 70decc27f6 (このIDを非表示/違反報告)
あまいろ(プロフ) - とても面白いです!これからも更新頑張ってください!楽しみにしてます! (2019年9月29日 13時) (レス) id: 441f1e9f18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おいも | 作成日時:2019年4月5日 21時