放浪少年入社します【文スト】

9話 ページ10

次の日。


唐突に国木田さんに聞かれた。


｢お前はここで何がしたい？｣



何が･･･したい･･･か。


それは･･･。


会って初めての俺のこんな願いを皆に押し付けるわけにはいかないか･･･。


姉さん。


ぐっと、パーカーの裾を握る。
姉さんを助け出せるようになるには、


｢勉強を教えて欲しいです。
何でもいいから、賢くなりたい。｣


真っ直ぐ国木田さんを見据える。


｢･･･そうか。
なら簡単だ。先ずは任務の行い方、報告書の書き方を教えてやろう。｣


そう言って、依頼の書類をちらつかせた。


｢！！ありがとうございます！｣


その書類を受け取った。


｢初めは賢治と農業の手伝いでもして来い。
報告書を書く時は俺に言え。｣


教えてくれるってことか。


｢わかりました！｣


そうと決まれば賢治を探さねぇと。

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