1話 ページ2
Aside
初夏、少し暑くなってきた所である。
身寄りも何もない俺はこうして川に足をつけて涼むことしか出来なかった。
「そろそろ何か職を見つけねぇと・・・」
本気で生きていけなくなるかもしれない。
今まで生きて来られたのだって奇跡に等しい。
金も人脈も帰る所さえない俺が15年もよく生きたな。
周りを見渡すと一人の男性が川を眺めて立っていた。
何してるんだ?・・・それにしても綺麗な人だ。
みとれていたら、不意に此方を見たその男性と目が合う。
次第に近づいてきた、あれ?知ってる人だったか?
「ふん・・・やぁ君。突然だか私と一緒に来てくれ給え。」
その男性が手を差し伸べてくる。
えっ、俺?
「えっ、やっ、あの・・・」
「私の名は太宰。君は?」
「えっと、新美Aです・・・けど。」
「そうかい。じゃあ、早く行こうか、国木田くんに怒られてしまうよ」
国木田くんて誰だ・・・?
なんて思いながら脱いでいた靴を履き、太宰さんの後ろをついて歩く。
もしかしなくてもついて行かない方が良かった・・・か・・・?
3人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちゆ。 | 作者ホームページ:
作成日時:2018年3月14日 22時