三十三話。☆松野美海☆ ページ36
大丈夫だよ！！！
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流夏 過去視点
初めて会ったあの日から、仲良くなってよく遊んでいた。
來孥「りゅなおねーさん、あい！」
來孥の手にはなにかが握られていて、それを私に渡そうとしていた。
瑠奈「なんですか？」
來孥「あげりゅ！あとまのたかりゃもの！」
と言って、渡されたのは青のグラデーション？の月の形のペンダントだった。
來孥「あのにぇ、こえ、おとーしゃんからもらったの！いちばんたいせつなひとにあげなさいって！」
瑠奈「大切な、人...。それが、私、ですか？」
來孥「うん！そお！」
來孥はこの時、よく笑う子だった。凄く可愛い笑顔で。
この笑顔に、何度助けられた事だろうか。
瑠奈「ありがとうございます。私も來孥のこと、大切ですよ。」
でも、その日から一度も会わなくなった。
なぜかはわからない。けど、パタリと来なくなってしまったのだ。
9月。私が十歳になったとき、事件は起こった。
私が一人で散歩をしてる時、いきなり掴まれ、薬で眠らされた。
目をさますと、手と足とガムテープで拘 束されていた。
目の前には、椅子に座ってパソコンに向き合っている犯人らしき人がいた。
コンコンと足で床をならすと、こちらを振り向き、こう告げられた。
『君はもう、用無しだ。巻き込んで悪かったな。』
どういう事だろうか。
犯人らしき人が拘 束を解いてくれた。
私は気になって、どういうことなのかを聞いた。それが間違いだったのかもしれない。
『お前は、捨てられたんだよ。』
すべて話してくれた。
金を請求するために、私を人質にとったこと。
私の親に金を請求したこと。
金をよこさなければ、私を殺 すと言ったこと。
そして...親がそれを断ったこと。
その時の動画があるらしい。
見ることにした。
犯人『金をだせ。ださなければ、お前らの子供を殺 す。』
母上『幾らでしょう。』
犯人『三億だ。』
父上『三億？ふざけるな。そんな奴の命、三億もの価値はない。なら、そいつを殺 して構わん。』
母上『はい。処分してもらって結構です。では、この話はおしまいで。』
聞いた瞬間、私は崩れ倒れた。
私は、必要なかった？三億もの価値はなくても、助けてくれると思った。でも、そんなことはなかった。
感情なんて、とっくに捨てたはずだったのに、涙が溢れてきた。
なんの涙なのだろう。悲しさ？悔しさ？惨めさ？
わからなかった。
いつの間にか、犯人らしき人もいなくなっていた。
三十四話。☆松野美海☆→←番外編！！~幼児化~ ☆クリームスープ☆（來孥幼児化）
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作者名：クリームスープ&松野美海 | 作者ホームページ：No.
作成日時：2022年10月19日 6時
