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「…ふふっ、ハッハ!そうか!夢は誰にも邪魔されたくねぇよな!ごめんな!」
クソ生意気なこと言ったのに、一郎さんは笑って許してくれた。
「…すみませんっ、ありがとうございます」
「謝んな!今日乱数のとこ行って来たんだろ?夢にちゃーんと近づいてるじゃねえか。」
もう一郎さんのとこに情報回ってんのか…
TDDの情報網やばいな…
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みんなでボードゲームやら、カードゲームやらしてたら、夜も更けて10時になっていた。
「それじゃあ、俺は帰ります。ごちそうさまでした。」
「ふぁ、ぁ。さよなら、Aくん、また来てくださいね…」
「じゃあな、また明日」
「おう!気をつけて帰れよ」
三郎くんはやっぱかわいいや。
みんなに見送られて玄関を出た。
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5分くらい歩いて、うちに着く。
一郎さんにも褒められたし、これからまたがんばっていけそう。
「…ただいまぁ」
おかえりなんて、言ってくれるひとはこのうちにはもういない。
父さんは俺が中学に上がるときに亡くなってしまった。
それからもう、ずっと独りだ。
父さんは仕事中の事故で亡くなったから、悲しいよりも驚きの気持ちが大きくて、涙も出ずに前だけを見てがんばって来た。
『なあ、A。このカメラあげるから、一緒に写真撮りに行こうな!』
父さんはそう行って俺にカメラをくれた。
『父さんは今はただの写真家だけどな〜。ラップが好きでな〜。父さんの写真で大きな街の大きなポスターを作りてぇんだ!』
母さんがいなくても、俺がつらくないように、いっぱい仕事をして、俺にたくさん愛情をくれた父さん。
『父さんは、ヨコハマの海が好きなんだ。いつかAを連れて来たいな。今は忙しくて…ごめんな』
父さんが好きなヨコハマの海も、もうずっと行ってない。
あぁ、そうか。
これは悲しいんだ、寂しいんだ。
今まではきっと強がっていたんだ。
今日、バスブロの3人と過ごして、思ってしまったんだ。
「…父さん…」
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ちょっとしたら、もう悲しさなんてなくなった。
いなくなった人は戻ってこないし、前だけ見てがんばった自分を踏み躙るみたいで、嫌だった。
こんな時、馬鹿でよかったなって思う。
決めた。
今週末はヨコハマにいこう。
父さんのことを、忘れないように
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ちゃんく(プロフ) - すらいみーる@元もちづきさん» わ〜!嬉しいですありがとうござます!続編がんばります(^^) (2018年10月18日 7時) (レス) id: dbc9699b6c (このIDを非表示/違反報告)
ちゃんく(プロフ) - かなめさん» ありがとうござます!続編ですね!頑張ります(^^) (2018年10月18日 7時) (レス) id: dbc9699b6c (このIDを非表示/違反報告)
すらいみーる@元もちづき(プロフ) - まだまだ読みたいので私も続編希望です!!! (2018年10月15日 23時) (レス) id: 3b52443fef (このIDを非表示/違反報告)
かなめ(プロフ) - 続編希望です!!! (2018年10月15日 19時) (レス) id: 1c0cf9ebd2 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃんく(プロフ) - 松の葉さん» お褒めの言葉めちゃくちゃ嬉しいです( ; ; )受け主やっぱいいですよね!更新頑張ります!これからもよろしくおねがいします!(^^) (2018年9月30日 22時) (レス) id: dbc9699b6c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃんく | 作成日時:2018年8月21日 7時