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「あれ、どうしたの…」
家に帰れば、ユキがドアの前にいた。
「ごめん。菜花のおしゃぶり無くしちゃって…。
中、探してもいい?」
「うん、いいけど。」
1週間ぶりに、ユキが僕の家にやってきた。
2人で一緒になっておしゃぶりを探す。
「ねぇ、Aちゃんと話せた?」
彼女の方からそんな話題が来ると思わず、急に息が止まったような気がした。
「そういえば、会って話したんだっけ。
こっちは、話せたよ」
「じゃあ、付き合ったんだ」
「いや、そういう話にはならなかった」
「…何を、話したの?」
「Aちゃんとは…たぶん、もう二度と会わないんだとおう」
「思うって…なに」
ソファの下を覗きながらユキは冷たく言ってくる。
「正直いうと、わからなくて。
確実に、Aちゃんは僕を避けていたんだけども何が彼女をそうさせたのか…分からないんだ」
「……彰はあの頃となんも変わってない。自分は黙りで何も動かない。相手の言動を受け入れてばかり。
彰は、どうなの?あの子と一緒になりたいとか思わないわけ?」
「僕は……幸せに、できないよ。
自信が、無い。上手くいったことなんてないし…。
ユキとだって、あの頃は幸せでも結局数年後にはあんなことになったし。
今が幸せだからって、それが何年先も続くとは限らないでしょ。僕は、数年先も誓うことはできない」
洗面所の方であったと呟くユキの声。
そして、リビングに戻ってきた彼女は酷く悲しそうな顔で
「弱っちい男。そんな男に少しでもより戻そうとした私がバカだった。バカ。あんぽんたん。一生独身でいろ!」
と、叫んで家を出ていった。
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真菓子 - 続き楽しみに待ってますね☺️ご自身のペースで大丈夫ですから! (3月31日 21時) (レス) id: 396bdc0ede (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - 続き楽しみにしてます!! (3月16日 23時) (レス) @page32 id: 8bc829161e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:suisho | 作成日時:2024年2月9日 3時