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「石田さんもですか?!せっかくだし行きましょうよ!」
「僕は今日うどんの気分じゃないし、いいよ」
「似たような理由ですね」
「似たようなって、誰と?」
チラッと女の人がこっちを見た気がした。
「まぁ、人それぞれ気分があるからね。またの機会に」
石田さんはそう言って荷物を持って現場を出ていった。
私も、この場が居心地悪くて逃げるように出ていく。
結局、店には入らずにコンビニでおにぎりを2つ買って収録現場の食堂で食べ始めた。
「あれ?安島さんは食べに行かなかったの?うどん」
そう声をかけてきたのは石田さんだ。
まだ、残っていたのかはたまた私のようにお昼を買って戻ってきたのか。
『お疲れ様です。
今日はおにぎりの気分だったので』
「そっか。それじゃあ仕方ないね。」
『…合わせた方が、良かったのでしょうか』
こんなこと、急に石田さんに話してどうしようも無いのに。だって既に断ってるんだから。
「なんで?気分じゃないんだから行かなくていいと思うよ
僕も気分じゃないから断ったわけだし。気分じゃないのに行っても話し合わないだけだよ。まぁ人それぞれだけど。」
そんな、石田さんの言葉に少し心が震えた気がした。
初めて自分と同じような人に出会えた気がする。
『石田さん、よく変な人って言われません?』
「え?あーまぁ言われるかも。
そう聞くって事は安島さんも僕のこと変だなって思ったってこと?」
『いえ。似てるなって、思っただけです』
なんだか、不思議な気持ち。
なぜだか今ちょっとだけ、嬉しい。
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真菓子 - 続き楽しみに待ってますね☺️ご自身のペースで大丈夫ですから! (3月31日 21時) (レス) id: 396bdc0ede (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - 続き楽しみにしてます!! (3月16日 23時) (レス) @page32 id: 8bc829161e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:suisho | 作成日時:2024年2月9日 3時