____23 ページ24
家にユキと赤ちゃんを招き入れて暖かいコーヒーを飲みながら、少しずつ別れたあとの話を始めた。
「彼はね、全然籍を入れてくれなかったの。そういうことをする時も、私にはアフターピルを飲ませてた。もう少し、待ってくれって口癖のように言ってた。
だけど、私どうしても早く一緒になりたくて…そのうちピルを飲むふりをしてたの。子供が出来たら結婚してくれると思って。
そしたら、子供ができた途端に彼は豹変した。
下ろせって言われたけど、育児は全部私がやるからこのままの関係で居させてってお願いした。
それくらい、お腹にできたこの子を育てたかった。
この子が生まれてから、泣き声がうるさいって暴力を振るわれるようになった。
最初は耐えてたの。いつか、きっと彼もこの子の父親として変わってくれるって信じてた。
でも、その前に耐えきれなくなってさっき逃げてきたの」
つくづく馬鹿な話だと思った。
だけど、彼女がここまで馬鹿なことをしたのはきっと僕の責任でもある。
僕と付き合っていた時も結婚がしたいとよく言われた。
僕はもっと仕事をしたかったし、結婚というものにそこまでこだわりがなかったからこのままでも一緒に居られるならそれでいいんじゃないかとずっと彼女の望みを先延ばしていた。
きっと、彼女は周りが結婚していく中で自分だけが結婚を出来なかったことを焦りに思っていただろう。
そして何より、結婚したいという女性の憧れが強くあっただろう。
彼女がこんな行動をしてしまったのは、タイミングを間違えた僕のせいだ。
201人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
真菓子 - 続き楽しみに待ってますね☺️ご自身のペースで大丈夫ですから! (3月31日 21時) (レス) id: 396bdc0ede (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - 続き楽しみにしてます!! (3月16日 23時) (レス) @page32 id: 8bc829161e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:suisho | 作成日時:2024年2月9日 3時