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「ごめん…」






Aちゃんが走り去った後、昔の恋人であるユキが呟いた。






「…出会ったのは偶然にしても、今更助けてって何のつもり?」





「ごめん…」





「……また、謝るばかりなの?あの頃と全く変わってないね




僕は、二度と君に会いたくなかったよ」






ユキはずっと下を向いたまま。
抱いている赤子は泣き止まなかった。





「……早く、帰りなよ。赤ちゃんの負担にもなっちゃうし」





そう言って、家に帰ろうと足を返すが袖を掴まれる。





「帰る、ところない……」





「……どういう意味?」




「………逃げてきたの」






小さく震える手から、身体に視線を移せばボロボロの服に裸足で傷だらけの足。





「私、幸せの意味を分かっていなかった。



キスやそれ以上のことが愛の形じゃなかった。
気付くのが遅すぎたよね…。



急に都合よく頼ってごめんなさい。
久しぶりに彰を見たら、急に安心しちゃって…」






スっと袖から彼女の手が離れた。






「さっきの人にも、謝っておいてね。今の彼女さんなんでしょ?」






無理したように笑ってゆっくりと駅の反対方面へ歩を進めた。
どうしてなのか、僕はその肩を掴んでしまった。





「さっきの人は彼女じゃないよ。

それから、こんな冷える夜を赤ちゃんを連れて越すのは僕が見過ごせない。ただ、それだけだから変な勘違いしないで欲しい。





…今日だけは、泊めてあげるから」






僕のこの、中途半端な優しさがどっちも傷付けてしまう。




それは、今の僕にはまだ気付けなかった。

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真菓子 - 続き楽しみに待ってますね☺️ご自身のペースで大丈夫ですから! (3月31日 21時) (レス) id: 396bdc0ede (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - 続き楽しみにしてます!! (3月16日 23時) (レス) @page32 id: 8bc829161e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:suisho | 作成日時:2024年2月9日 3時

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