このままで、そのままで 《石田彰》

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OKです！




監督のその一声にみんなの緊張が一気に解れる。




「Aお疲れ様。」



『お疲れ様です。』




今日はこの前の結婚式の先輩との共演作。




「Aは腕上げたねぇ」



『まだまだです。』



「ところでなんだけど……



Aと彰ってどんな関係なの？」





思わぬ質問に固まる。

どんな関係、と言われれば迷う。
友達とも違うし、先輩後輩と言われるともう少し近しい気もする。





『なんでも…言い合える関係…？』




「なんだそりゃ。



うちの旦那がさ、あの二人付き合ってるんじゃないかって言い出してさ。実際のところどうなのかなって思ったけど、そんなんじゃ無さそうだね」





付き合ってる云々の話は少し驚いたけど、それよりふと思った。





『先輩、名前呼びなんですね』



「え？あー、彰って？私結構みんな下の名前で呼んじゃうなぁ。




……Aだって、別に呼んでも嫌な気しないと思うよ。向こうも。」





『そ、んな！私別に呼びたかったわけじゃ！』




「だって、そんな羨ましそうな顔で見るから。


てか、呼んでみなよ。反応が気になる」




ケラケラと笑う先輩に、私は今遊ばれているんだとムッとする。




「ごめんてw

今度2人でうちにご飯食べにおいで。どうせこの前の結婚式でみんな知り合いになったわけだし！旦那も待ってるよ！」




そう言い残して先輩は帰って行った。

私も、もう終わりだし帰ろうかな。

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