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｢上出来やない？めっちゃ可愛いし｣
｢源氏くんもイチコロやな｣
｢とりあえず、明日朝イチで源氏くんに会いに行かなあかんな｣
取扱説明書に書かれた『卵の効能は24時間』の文字を見せながら誠也くんが言う。
意外と時間少ないな…24時間で恋を成就させるなんてできるか…？
｢あっ、聖夜様に恋愛テクニック教えてもらったら？｣
｢え、知りたいっ！｣
小島くんが適当な提案をするから、素直なムラサキちゃんは真に受けちゃってる。
｢しゃーないなぁ、ほら、こっち向いて｣
誠也くんがムラサキちゃんの顔を掴んで、向き合うかたちになる。
｢なぁ、ムラサキ。口って、何のためにあると思う？｣
｢へ…？…ご飯食べるため…？｣
顔を真っ赤にしてムラサキちゃんが答える。
｢それもあるけど…違う。正解はな、キスするため｣
そう言って投げキッスをする誠也くん…もとい、聖夜様。
いや、これさ、女の子にやるやつやん。
女の子がするやつちゃうやん。
横を見ると大口開けて笑ってる小島くん。
分かってて振ったな。
いや、これさ、女の子にやるやつやん。
女の子がするやつちゃうやん。
横を見ると大口開けて笑ってる小島くん。
分かってて振ったな。
源氏くんがいるという、14番街ヘイアン通りの学校。
校門の前には歌舞伎役者みたいな赤と白の大男が2人いる。
｢ここは聖シキブ女学院。男子禁制である｣
怖い顔でそんなことを言ってくるから一旦退避。
｢ちょ、男入れないぽいですよ｣
｢女装したらいけるんじゃ｣
｢いや無理やろ｣
ふざけた会話をしていると、ムラサキちゃんが静かに手を挙げる。
｢わたし、1人でも大丈夫。1人で源氏くんのところ、行けます｣
たくましく育ったな、1日しか一緒に居らんけど。
｢そうは言ってもな…じゃあ俺らも頑張って潜入するから！｣
とりあえず、ムラサキちゃんには1人で学校に入ってもらって、俺らはあとからこっそり潜入することになった。
｢じゃあ、行ってきます！｣
｢俺らもすぐ合流するからな｣
少し緊張しながらも校門をくぐるムラサキちゃんを見送った。
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作者名：雨宮るん | 作成日時：2024年3月6日 19時
