GAME2 取り替えこっくりさん ページ6
｢第2ステージ『取り替えこっくりさん』！｣
こっくりさん。
文字の書かれた紙の上にコインを置いて指で抑えると、何故かコインが動き出して霊と会話ができる――
たしかそういうゲームだ。
｢普段でしたらプレイヤーと待機組に別れてもらうところですが、14番街は人数が少ないですので全員でプレイしていただきます｣
キャメルが教室を出ていき、5人で残される。
黒板には『こっくりさんのみっつの願いを叶えてアイテム″01染色体″を手に入れよ』と書かれてある。
フリーゲームのナカノヒトゲノムでもひとつゲームをクリアする度に″染色体″というアイテムをゲットできた。
｢早くやろうや｣
リチャくんが机の上に置かれたコインに指を乗せる。
｢そうすね｣
残りの4人も指を乗せるとコインが動き出した。
｢うわ、ほんまに動いた！｣
｢どういう仕組みで動いてんの?!｣
コインが示した文字は
『み す″』
｢水…廊下に水道あったよな、取ってくるわ｣
誠也くんが指を離そうとする。
｢あかん！こっくりさんは終わるまで指離したらあかんねん。知らん？｣
リチャくんが慌てて誠也くんの腕を掴んで声を荒らげる。
｢誠也くん、後ろの机にある花瓶の水は？｣
正門くんがそう言い、誠也くんは後ろに手を伸ばして水を机にかけた。
コインが″はい″の位置に動く。
｢合ってたみたいやな｣
『と も た″ ち』
今度は友だちを要求してくるこっくりさん。
｢友だち…正門！正門がなるから！な？｣
いつだったかのお化け屋敷の時のように誠也くんが正門くんを生け贄にする。
さすがに今回はやばいんちゃう…？
このこっくりさんガチっぽいし…
そんなことを考えているうちにコインは動いていて″はい″の位置にある。
｢わ、OKされちゃった｣
あまり焦る様子のない正門くんが呑気な声をもらす。
｢みっつの願いやから、次で最後？｣
コインが示したのは『ま さ か と″』
｢え、俺?!｣
正門くんが驚くのが先か手を離したのが先か分からないけれど、後ろに倒れ込む。
｢ちょ、まっさんなにしてん?!指離したらあかんって！｣
｢今なんかに引っ張られて…っ?!｣
答えるや否や正門くんの身体が窓に向かって引きずられていく。
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作者名：雨宮るん | 作成日時：2024年3月6日 19時
