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ぶひゃん
え？
想像と違いすぎる音に目線を戻すと、パンダがくしゃみをしたようだ。
パンダの唾でベタベタになった少年が｢君も花粉症ですか｣と笑顔で話しかけていた。
巨大パンダの脅威も去り、青年とは別れて誠也くんと2人で森を進む。
『お迎えにあがります』がこのことなら残りの3人もいるはず。
探さないと。
数十分経っただろうか、森からは出られないまま体力だけが削られる。
｢休憩しようか｣と誠也くんに声をかけられ、腰を下ろした。
｢ああ、ここにいらっしゃいましたか。
ワタクシナカノヒトゲノム監視役、14番街担当のキャメルと申します｣
突如として現れたラクダ頭のスーツを着た男。
どこかで聞いたことがあるような、ないような、そんな声が不気味さに拍車をかける。
キャメルと名乗る怪しすぎるその男を2人で睨みつける。
たしか、ラクダって英語でcamelやっけ。
｢御二方、ご自身の左手首にご注目！
お休みの間にナノチップを埋めさせて頂きました｣
言われるがまま左手首を見ると数字が表示されている。
｢こちら再生数をリアルタイムで表示しております。
あなた方がなすべきことはこちらの再生数を1億までまわすこと。
すなわちナカノヒトゲノムリアル実況において1億ビューを達成することでございます。
プレイ期間は無限にございますので、どうか死ぬ気で実況してくださいませ｣
胡散臭い話し方で説明をしてくるラクダ。
そんなまくし立てられてもすんなり受け入れられる状況じゃない。
｢…というのが定型文でございますが、今回のメンバーはお仕事が特殊でいらっしゃるとか。
再生数が多いに越したことはありませんが、用意したステージを全てクリアしましたらお帰ししましょう｣
今はこのラクダの指示に従うしかないことを悟った俺たちはキャメルに案内されて森から出た。
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作者名：雨宮るん | 作成日時：2024年3月6日 19時
