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小島side
一方その頃。
まっさんと俺はでかい花から逃げ切り、廊下を進んでいた。
曲がり角から見覚えのある人影が姿を現す。
｢あれ、誠也くん？｣
向こう側に行ったはずの誠也くんだった。
まっさんが｢誠也くん、なんでいるんですかー？｣と手を振りながら近づく。
誠也くんはそれには答えずに黙ったままこちらに向かってきた。
にこりと微笑んで、まっさんに抱きつく。
少し驚いた表情で受け入れるまっさん。
言っちゃ悪いけど、誠也くんの様子変じゃない？
｢まっさん!!｣
突然、誠也くんの頭が例の花になり、まっさんに襲いかかる。
まっさんの身体にぐるぐると巻き付けられていく根。
どうしよう。
助けに行っても、近づいたら俺も喰われるし。
だからといって見捨てるわけにも…
ガッｯ
鈍い音に顔を上げると、フルフェイスを首に提げた少年が鉄パイプで花を殴っている。
彼の攻撃で花がまっさんを離した。
花の口に彼が鉄パイプを突っ張り棒のように咬ませ、後ろからやってきた学ランの少年がまっさんを花から遠ざける。
｢やっぱこいつら擬態すんのか、めんどくせーな｣
フルフェイスの少年は気が立っているようで、壁をガンガンと蹴っている。
擬態…？
声に出ていたようで、学ランの少年が｢俺らもさっき、仲間にそっくりな人に会って、喰べられかけたんです｣と教えてくれる。
｢俺ら、食糧庫行くんです。あそこなら頑丈ですから。一緒に行きませんか？｣
学ランの少年に提案され、俺らも食糧庫に向かうことにした。
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作者名：雨宮るん | 作成日時：2024年3月6日 19時
