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｢なに、あのガキ…全然気遣ってなさそうなのにあの美貌…！
余より美しいとか許せない！
また言われるんだ、名前負けしてるねって…｣
源氏先生も苦労してるんだな…
少し同情したところで、後ろから声がかけられる。
｢おっきい音したから気になっちゃって。大丈夫ですか…？｣
心配そうな顔をしたムラサキちゃんが佇んでいた。
｢見たね…？余の恥ずかしいところ。
ダメだよ、余はいつもキラキラの源氏先生なんだから｣
様子のおかしい源氏先生は近くの椅子を手に取る。
そのままムラサキちゃんに向かって振りかぶって…
｢ムラサキ!!｣
ゴンッ
鈍い音を立てて、ムラサキちゃん…ではなく源氏先生が倒れ込む。
顔を上げると、瓶を片手に持った誠也くんがいた。
源氏先生がムラサキちゃんを椅子で殴りかかろうとしたところを、誠也くんが瓶で殴って止めた。
状況を整理するとこういうことだ。
｢…うっ、なんだお前ら、教師に…余にこんなことをして…｣
源氏先生が起き上がってきたところを、ムラサキちゃんが近づいていってペチンと頬を叩いた。
｢先生…学園のアイドルも大変なんですね。
名前負けなんてしてないです。先生はかっこいいです。
でも…アイドルやるなら、学校でこんな姿見せるのはプロ意識が低いかと…！｣
不思議な観点だけれども、彼女は必死になって怒っている。
綺麗な瞳に涙を浮かべて、非力な腕でぺちぺちと源氏先生を叩く。
｢余のことを説教する女なんて今までいなかった…
っ、おもしれー女｣
はい、おもしれー女、いただきましたー！
じゃなくて、これはクリアに入るのか…？
｢…もう、時間みたいです｣
みんなで話していると、ムラサキちゃんの身体が光に包まれ始める。
もう24時間経ったのか…
誰からともなくムラサキちゃんにぎゅっと抱きつく。
しばらくして、光が消え、ムラサキちゃんも、学園も、源氏先生も、いなくなっていた。
代わりに残っていたのは″02染色体″。
｢全部、消えるんやな…｣
5人ともどこか寂しそうな顔をしていた。
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作者名：雨宮るん | 作成日時：2024年3月6日 19時
