ベランダでお話 ページ29
ナワーブ「運んだのを見たのはエミリー先生とセルヴェだけだったぞ」
僕はニヤリとからかうような笑みを浮かべて言ってやった｡
『手紙を持ってきたのは誰だったかな？』
ナワーブ「梟…あ」
ナワーブは気がついたのかフードを深く被る｡
きっと"あの事"も見られていたと分かって今顔は真っ赤なんだろう｡
『じゃあ僕は行くね』
と、僕は満面の笑みをナワーブに向けて部屋を出た｡そこには先程話に出ていたAさんが
僕の部屋の扉をノックしている｡
僕はナワーブの部屋に戻り気づいてもらえるようガチャリと取っ手の音を鳴らして開けた｡
僕が部屋にまた入ってきてナワーブに 何やってんだこいつ… と思われていたのはさておき…
彼女が僕に気づいたようで…
A「クラークさん！」
彼女は僕を見るなりこちらに小走りで近づいて来て｡
A「少し困ったことがあって…」
と、聞いてくる｡彼女が僕を頼ってくれている度に胸が何かでいっぱいになる感覚になる。
これはなんだろうと前々から思っているが原因不明のままだ。
『どうかしたのかい？』
僕はおかしな感覚を気にしながら話をする｡
A「…ちょっと言いづらいのでカスタム部屋の隣にあるベランダ行きませんか？」
『いいよ、行こうか』
カスタム部屋近くのベランダはすぐ近くにあり、1分もしない内に着く｡
2人でベランダに出て、話をする。
『言いづらいことってなんだい？』
そう言うとAさんは小さな手の中に隠してあったであろう布を見せる｡
A「このハンカチが噴水にあったので置き忘れかと思って持ってきたんですけど…
誰のか全く分からなくて…クラークさんに頼れば何とかなるかと」
そのハンカチの持ち主を知っていたので教えてあげる｡
『それはイソップのハンカチだね』
A「イソップさんのですか！じゃあ渡しに行かないとですね…」
『今から渡しに行くのかい？』
A「そうしようと思ってます！」
『残念だけど今はイソップは寝てると思うよ』
A「この時間に寝てるんですか…？」
『イソップは人と会わないように夜中に起きるようにしているからね｡』
A「あ！そうなんですね〜じゃあ夜に行ってみます！」
そう彼女がニコッと笑ってくれる。
《ずっとこの笑顔を見ていたい…》
らしくないことを考えている自分に驚いたが彼女が話しかけてきたので平常を装い返事をする｡
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莉奈(プロフ) - みぃさん» ありがとうございますぅ！頑張って書くので何卒宜しくお願い致します！ (2019年12月6日 14時) (
レス) id: 3da6a9cbfe (このIDを非表示/違反報告)
みぃ - なんかこれから話が面白くなるのが分かりますよ……これからも頑張ってください！ (2019年12月4日 21時) (レス) id: c7c195428a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：莉奈 | 作成日時：2019年11月6日 10時
