one＿忘れられない恋のお話 ページ44
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side of you
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『あーあ、カルマくんってば、なんであんなにかっこいいんだろ』
誰もいない、一人ぼっちの部屋で呟いた。
勿論その言葉に返事はない。
私は2年の時から、ずっとカルマくんが好き。
私には、A組の子とか先輩とかに太刀打ちするような度胸も、実力もない。
2年の最後、カルマくんはE組に落ちた。
まさかそれを追ってE組へ行けるはずもなく。
私は彼のいなくなったD組で、また新しい1年を過ごそうとしている。
『そういえば、カルマくん明日から停学明けなんだっけ』
私がE組にいたのならば、明日からは、毎日カルマくんに会うことができるんだ。
いいなぁ、E組の子。
カルマくんと一緒にいられて、カルマくんとお話できて。
ちょっと羨ましい。
E組を差別する椚ヶ丘の風潮が好きじゃなくて、でも私にそれを変える力なんてあるはずもなく、なんとなく見過ごしてきた。
でもカルマくんがそのE組にいるんなら、こういう感じも少しずつ変わったらいいなぁ。
今さら、自分勝手だよね。
理事長も、浅野くん率いる五英傑も、怖いし。
『寝よ』
カルマくん、夢に出てきてくれたりしないかな。
って、そんなわけないか。
カーテンを閉めると、一気に室内が暗くなる。
その暗さが今は心地よくて、なおも心の中で燃えたぎるみたいな気持ちから目を逸らして、ベッドの中に潜り込んだ。
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『ふぁあ、あ……』
大きな欠伸を1つ溢して、それからぐーっ、と伸びをする。
重たい上体を起こしながら、時計を見る。
『………10時！？』
まさかの時間にビックリして、でもこのまま学校をサボるわけにもいかず。
急いで準備して、家を飛び出した。
駅について、電車に乗って、また駅についたら、駅のホームを駆けていく。
暫く走ると、体力の無い私は疲れてきて、いったん走るのをやめた。
やばい、疲れた。
もう走れないなー、って思いながら、だるい脚を懸命に動かして少しずつ歩いていく。
「あれ、A？」
そんなとき、突然後ろから、聞こえるはずの無い声を聞いたんだ。
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