彼に好きって言ってみた[暗殺教室] (ページ14)

今日:19 hit、昨日:7 hit、合計:210,718 hit

君、争奪戦。ページ14

受験応援プロジェクト第1弾！

＿＿＿＿＿

「高校、どーするの？」

渚に、そう問いかけられた。

志望校も特に決まってなくて、就職とかも全く考えてなくて。適当に、流されるまま生きてきたような感じだったのが、ここにきて裏目に出た。

「まだ何も決めてない！」

とか言いながらも行きたいな、って考えてるところは幾つかあるにはある。だけどそれが曖昧だから、言ってもいいものか悩んでいる。

「そのまま高校も椚ヶ丘行ったら？」

カルマくんが、そう薦めてくれた。

でも正直本当にどうすればいいのか分からない。

「俺とおんなじとこ行こうぜ！」

前原くんはそう言う。前原くんとは学力も同じくらいだったから、高校も同じところに行ける、かもしれない。

だけどそれって、また人に流されるってこと。このままじゃあ、就職まで誰かに流されて同じところに入って、ってなってしまうかもしれない。そんなのってちょっと嫌だし。

「ここだ、って思うところを選べばいいんだよ」

磯貝くんが、そう言って優しく微笑みかける。でももしどうしても悩んでるなら、俺と同じところ行くか？って磯貝くんは言う。

「もう、どうしたらいいのか分かんない」

ついでに言えば、自分がどうしたいのかも分からないでいる。なんか優柔不断だなあ。

「俺は、Aと一緒がいいけどなー」

ってカルマくん。不意に囁かれたその言葉に、ドキドキしてしまってる自分がいて。

「ぼ、僕も！」

ちょっと顔を紅くしながら、渚も言う。

「そりゃあ俺もAとがいいな！」

磯貝くんが、これまた優しく笑う。

「俺もAがいる方が100倍嬉しいぜ」

前原くんは、ちょっと妖しく笑う。

かっこよくて、ドキドキして、きゅんってして。今までだって十分に悩んでいたのに、また更に悩んでしまう。

でもいいじゃない。
惑わされるだけ、惑わされたら。

それもきっと、未来への過程になるはずだから。