彼に好きって言ってみた[暗殺教室] (ページ13)

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女誑しの好きな人 × 陽斗ページ13

《榛風乃愛さんﾘｸ》

「好きだ」

あまりにも唐突だった。

「だから、付き合ってくれねーかな」

“女たらし”

なんて噂される彼が

頬を紅潮させて言うものだから

なんだかドキドキしてしまって

『…え…でも……』

言葉を濁すことしかできなかった。

はい、ともいいえ、とも言えず。

「俺のこと、好き？」

『……え……えっと…』

そもそも告白なんて初めての経験で。

頭の中真っ白で。

どうすればいいのか分からなくて。

『ちょ、ちょっとだけ、待ってもらえますか』

それしか言えなかった。

──────

「好きだ」

おんなじ声色。

おんなじ台詞。

後ろを振り返れば、前原くんが立っていた。

『…あ…前原くん…』

言うことは考えてた。

でも言っていいのか分からなかった。

『あの、私前原くんとは……その…』

「なんで？」

『えっ……』

断るはずだったのに。

言葉を遮られて

前原くんにじっ、と見つめられた。

『…だって……遊び…なんでしょ……？』

「ほんとにそう思うわけ？」

……ｸﾞｯ……

手首を掴まれて、壁と背中が触れあう。

ドキドキが止まらなかった。

「俺本気だけど」

『…ぅ…でも…』

「疑うなら、何回でも言うから！」

すごく真面目な顔をしてた。

「好きだ！世界で1番！」

こんなにも顔が熱くて

こんなにも胸が痛くて

こんなにもドキドキして

きっと

私も前原くんが好きなんだよね。

『宇宙で1番じゃなきゃ、嫌だから』

「……っ」

前原くんも、上気しているようだった。

「それは“yes”と見るけど」

『そーゆーことなんじゃない？』

なんてかわいげのない台詞。

すぐに飽きられちゃうかもなぁ。

「好きって言ってみてよ！」

楽しそうに笑ってた。

『…す…好き…』

「あぁ、俺も！」

にかっ、て笑ってみせる彼は

すごくかっこよかったんだ