その13「誕生日を祝いたい話」 ページ28
「光一も40かぁ。」
「何言うてんねん。まだ数時間あるやろ」
「いやいや、あと数時間やないですか。
Aちゃんは今年も帰って来れへんの?」
「向こうも立派なカウントダウンコンサートがあるからな」
あぁ、あの有名なやつな。
2人は付き合ってから1度も誕生日を共にすごしたことがない。
光一の誕生日である1/1はお互いカウントダウンコンサートがあり会うことは出来ない。
Aちゃんの誕生日である7/21はAちゃんはウィーンの生徒さん達のコンクール時期で忙しく、光一は僕らのデビュー日でもあるからなんだかんだ仕事があり会うことができていなかった。
「付き合うてんのに誕生日お祝い出来ひんのは悲しいなぁ。
ちなみに君ら交際記念日はなにしてんの?」
「んあ?交際記念日?なんそれ。いつか知らんわ」
「つくづく呆れるわ……」
はぁ、とため息を付けばスタッフに呼ばれて僕らは準備を始める。
コンサートの最中。
後輩たちと中継を繋げながら光一は40歳の誕生日を新しい年とともに迎えた。
「「ありがとうございましたー!!」」
ファンたちと別れ、僕らのカウントダウンコンサートを終えて着替えも終えて、軽く打ち上げなんてして光一は後半は眠くなったからと解散後は真っ直ぐ家へと帰って布団へすぐ入った。
誕生日の日の朝は眩しさに目を覚ましたらしい。
「んぅ…なんや…俺、昨日カーテン締めへんかったか?」
ゆっくりと身体を起こしてふと違和感に気づく。
なにか、いる…。すぐ隣に、なにかが。
柄にもなく背中に冷や汗が伝う。
ゆっくりとその手を伸ばして布団をバッと捲れば、
「は…?」
そこには、Aちゃんがいた。
「なん、で…おるん?」
「んん……あ、寝ちゃった〜。
あ、光ちゃん。誕生日おめでと」
「おう。じゃなくて、お前コンサートは?」
「してきたよ〜」
「んじゃ何でここにおんねん」
「あれー?言わなかったっけ。今年は日本でコンサートやったんよ。東京ちゃうかったからホテル真っ直ぐ言ってもうたけどな〜。でも、光ちゃんの誕生日急いだらお祝いできるって思って、コンサート終わったあと直ぐに夜行バスで戻ってきた
ふふ、初めて直接言えた」
そう言ってふにゃと笑うAちゃんを見て
誕生日の日の朝に盛ったらしい。
「こんなお祝いしたいんとちゃうんやけど?!」
この後、2人はお寿司を食べてお祝いしたとか。
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茶(プロフ) - 結城綾さん» 大変遅くなりました!剛くんは次回作できっと幸せになれると思いますのでぜひ新作もよろしくお願いします。 (2023年2月4日 12時) (レス) id: 75867b41bb (このIDを非表示/違反報告)
結城綾(プロフ) - 初めまして、いつも楽しみに読ませていただいてます、剛くん視点で時々切ないヒロインちゃんへの恋心が垣間見えるのがキュンとします、これからも無理ないペースで書いてください、楽しみにしております (2022年10月24日 21時) (レス) @page41 id: c0d3918841 (このIDを非表示/違反報告)
トット(プロフ) - 千香さん» いつもコメントありがとうございます(^^) リアリティを意識して書いてます!笑 感じていただけたなら幸いです(T_T) (2022年9月26日 21時) (レス) id: 0b050a84a6 (このIDを非表示/違反報告)
千香 - 本当に面白いです!なんだか実話にありそうで(笑)剛さん視点なのも良いです!これからも楽しみにしています! (2022年9月26日 19時) (レス) @page26 id: c728a92b9a (このIDを非表示/違反報告)
トット(プロフ) - natsuさん» コメントありがとうございます(^^)natsuさんの楽しみをこれからも作れるように頑張ります! (2022年9月26日 13時) (レス) id: 0b050a84a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:茶 x他1人 | 作成日時:2022年9月18日 2時