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_____病院に着くと点滴の繋がれたAちゃんが眠っていた。
「自宅へ向かってる途中で倒れたそうです。意識はあったので話を聞いてうちの婦人科へ連れてきて貰いました。今は点滴で症状は落ち着いています。」
看護師さんから説明を聞いている間、光一はAちゃんの手を握り離さなかった。
「俺のせいや…俺の、せいや…」
涙を流してそう呟く光一の肩に手を置く。
「Aちゃん…お前に心配かけさせたくなかってん。公演に集中して欲しい言うてお前やなくて僕を呼んだんよ。
でも…僕かて、お前に何も言わんと勝手に行ってAちゃんと話したのはホンマに悪かったと思ってる」
「……そうやったんか…。話聞かんで悪かった。でも、俺が話聞かんかったせいでこうなったんや」
「お前だけやないやろ。僕かて責任感じてるわ…」
「……すまん……ほんま、すまん……頼むから…目ェさましてくれ…」
Aちゃんは寝不足もあったらしく、丸1日眠り続けた。
そしてその横にずっと光一はいた。
《A、目覚ましたわ》
その電話は僕が光一とAちゃんの着替えを取りに帰っていたときに来た。
「ほんま?よかったぁ。今戻るわぁ」
《なぁ剛…俺ら、離婚するから…お前がAのこと…》
「はぁ?!なんでそうなるん!」
《俺じゃAの力になれんかった。せやから…》
「お前が帰ってくるって思うからAちゃんは頑張れるんやろ
そんなん考えてる暇あんなら少しはAちゃんのためになること考えぇや」
言葉を投げ捨てて僕は通話を切った。
病室に入れば何だか湿っぽい空気が流れてる。
「なぁんやねんこの空気。せっかく誤解も解けたんやし仲直りといこぉや。」
「……A、こんなの書かんよ」
「ええから書けって。最初に言うたやろ。俺といたらええことなんもないって。ええことどころかお前がこんな目にあってんで。」
「せやから、Aも言うたやろ!光ちゃんの隣で息できるだけで幸せやって!」
「そんなんあるわけないやろ!!お前死にかけたやんか!!」
「アホか!!!大袈裟なんよ!!たかが月経痛で!!」
「月経痛で倒れるやつがおるか!!」
「あーーーーーーーもう!落ちつけぇやぁお前ら!!!」
僕の声に2人が振り向く。
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茶(プロフ) - 結城綾さん» 大変遅くなりました!剛くんは次回作できっと幸せになれると思いますのでぜひ新作もよろしくお願いします。 (2023年2月4日 12時) (レス) id: 75867b41bb (このIDを非表示/違反報告)
結城綾(プロフ) - 初めまして、いつも楽しみに読ませていただいてます、剛くん視点で時々切ないヒロインちゃんへの恋心が垣間見えるのがキュンとします、これからも無理ないペースで書いてください、楽しみにしております (2022年10月24日 21時) (レス) @page41 id: c0d3918841 (このIDを非表示/違反報告)
トット(プロフ) - 千香さん» いつもコメントありがとうございます(^^) リアリティを意識して書いてます!笑 感じていただけたなら幸いです(T_T) (2022年9月26日 21時) (レス) id: 0b050a84a6 (このIDを非表示/違反報告)
千香 - 本当に面白いです!なんだか実話にありそうで(笑)剛さん視点なのも良いです!これからも楽しみにしています! (2022年9月26日 19時) (レス) @page26 id: c728a92b9a (このIDを非表示/違反報告)
トット(プロフ) - natsuさん» コメントありがとうございます(^^)natsuさんの楽しみをこれからも作れるように頑張ります! (2022年9月26日 13時) (レス) id: 0b050a84a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:茶 x他1人 | 作成日時:2022年9月18日 2時