つよしのネタ帳~光一夫妻のちょっと変わった日常~

その8｢2人の馴れ初めの話｣ ページ13

2人が出会ったのは今から10年前のこと。



当時まだ23歳だったAちゃんはウィーンでの活動が中心だったけど日本でのコンサートにお呼ばれして一時的に帰国していた。

そこへ漬け込み、僕らの番組スタッフはビッグゲストが欲しいとAちゃんへ熱いオファーをしたところ、まさかのOKをもらった。

当時は石坂Aがバラエティに出るなんてカエルがオタマジャクシに戻るくらい驚きの話題やった。



「石坂A？誰やそれ」



まぁうちの世間知らずな相方が知ってるとは到底思ってもいないが。



「めちゃめちゃすごいピアニストよ」


「なに？めちゃめちゃピアノが上手いってこと？」


「上手いなんてもんやないよ。世界で活躍するピアニストやで？」


「ふーん。で、なんでそんな盛り上がっとるん？」



こいつに話しても無駄やと思い話はそこで終わらせた。

バラエティが初めてだと言う彼女からいろんな驚きの話を聞かされた。
幼い頃からの厳しすぎる英才教育や、考えられない日常生活や、23歳とは思えないほどの恋愛への無関心さ。
たくさんの話を聞いた最後、僕からの熱烈なお願いでKinKiの曲である雪白の月をAちゃんのピアノのみで歌わせてもらった。

こんなレアなゲスト中々ないと話したメンバーがこの後打ち上げに行こうと盛り上がりAちゃんも含めてみんなでちゃんこ鍋の店で鍋をつつきあった。

Aちゃんは光一の隣に座って緑茶を飲んでいる。
光一はたぶん今焼酎を飲んでる。水に見えるけどたぶん焼酎。


やっぱり飲み会の後半には彼の周りから人が消えていく。そんな様子をチラホラ見ながらも僕は周りにいるバンド仲間たちと話していた。

ここからは、僕が後から本人に聞いた話。

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