少年探偵団の最強美少女

ミステリートレイン【排煙】2 ページ38

小｢犯行現場のB室のチェーンロックの鎖を一つ増やす事も…能登さんのランプの電球を切れた物と交換することも…リモコンでアラームがなる腕時計を出波さんのE室に隠すことも可能です!さらに出波さんがE室の前で車掌さんと口論しているときに再びアラームを鳴らして注意をそらせば…反抗を終えてB室に潜んでいた安東さんが、鏡張りにしたC室の扉を釣り糸を引っ張って開けても気づかないでしょうし……｣

『だからその鏡張りの扉の影でB室のチェーンロックをかけた後…まるで自分の部屋から出て来たように鏡張りの扉を一気に閉め出波さん達に近づけば…車掌さんがずっと廊下にいたのにもかかわらず………反抗現場のB室に出入りした人物を誰も目撃していないという状況ができるというわけだ』

安室｢わけだって……随分と話し方が大人びているね｣

『…って、事だよね!?おじさん!!』

小｢あ、あぁ…まぁ運悪く見張りの扉を開ける直前に小蓑さんとメイドさんが廊下を通り、釣り糸に気づく恐れもありましたが…トンネル内で薄暗かったので見逃されたんでしょう…まさか、事件に関わりたくないからあえて言わなかったわけじゃないでしょうしね…｣

出波｢…でもどうして安東さんが室橋さんを?｣

能登｢5年前の大火事で共に助け出された中だったんじゃ?｣

安東｢えぇ…2年前まではそう思っていましたよ…絵画のオークションに、あの火事で焼失したはずの絵が出品されるまではね…｣

出｢えぇっ!?｣

安東｢その絵画の持ち主を遡って調べたら最後に室橋の名に辿り着いたというわけです…｣

安室｢なるほど…室橋さんは屋敷から絵画を盗み…盗まれたことを隠すために屋敷に火を放ったんですね?大勢の被害者を巻き込んで…｣

安東｢ええ…室橋は殺される前に言ってました…あんなに死人が出るとは思わなかったってね…あの男がもしも我々と同じく火事で亡くなった方々を…このベルツリー急行の一等車に乗るはずだったあの一家を弔うために毎年乗車していたなら…自首を勧めるつもりでしたが…｣

『違かったんだな…』

安東｢えぇ…偽の推理クイズの被害者役の話を持ちかけ、探偵役の子供達を待っているとき…あの男…こう言ったんですよ!｣

『…』

安東｢やっぱこういうの興奮するなぁ!生きてるって実感できるって言うか…煙に巻かれて命からがら救出されたあの火事を思い出さないか?…頬を紅潮させ…嬉嬉としてそう言ったんですよ!!あの火事で私の妻が…煙に巻かれて死んだって言うのに…｣

ミステリートレイン【排煙】3→←ミステリートレイン【排煙】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す