謎めいた乗客 見えない恐怖 ページ2
ウ「見ましたかい?今、帰ったクライアントの嬉しそうな顔……今夜が最後の酒になるとも知らないで…クックックッ…」
ウォッカが不気味な笑い声を上げる。
ウ「ねぇ兄貴…兄貴?」
ウォッカが何度語りかけても、ジンは一言も返したりはしない。
ウ「あの歌姫ですかい?シビレますねぇ…いつ聴いてもこの歌声は…」
トン
そこに店員がグラスを置いた。
「ドライマティーニでございます…歌姫からお二人に…」
ウォ「ピュ〜♪…こりゃーありがたくちょうだいすると……」
ジュッ
ウォ「あ…」
ジンがウォッカの手に取ったドライマティーニに加えていた煙草を突っ込んだ。
ジ「何の真似だ…?」
「は?」
ジ「どういう了見だと……聞いているんだ…ベルモット!!」
ジンが店員の頭を掴み、机に叩きつけて指した。
だが血は出ず、その代わりに破れた風船のようなものが机に残った。
ベ「
店員の変装が解け、ベルモットの姿が露わになった。
ベ「あの歌姫に鼻の下を伸ばしてる誰かさんを…
ちょっとからかっただけ…」
ウォ「いいんですかい?あんたみたいな有名女優が
俺達と一緒に居るところを見られたら…」
ベ「大丈夫よ…他の客もあの歌声に夢中みたいだから…」
ジ「それより例の捜し物は見つかったのか?」
ベ「そうね…本命はまだって所かしら…」
ウォ「本命って…?そろそろ教えてくださいよどこで何をやってるか…」
ジ「無駄だ…この女のくだらねー秘密主義は今に始まった事じゃない…」
ベ「あら…女は秘密を着飾って美しくなるのよ?」
ジ「反吐がでるぜ…」
ベ「ねぇ…そんなことより…どう?今夜、久しぶりにマティーニでも作らない?」
ウォ「マティーニを…ですかい?」
ベ「知らないの?ジンとベルモットが交われば…」
ジ「フン…黒と黒が混ざっても…黒にしかならねぇよ…………」
ベ「あらそう?…それは残念ね」
ジ「それより………アイツは見つかったのか…?」
ベ「……………いーや…まだよ…」
ジ「急げ…早く連れ戻してこい…殺すなよ」
ベ「当たり前じゃない…あの子を殺すわけないでしょ…じゃあまた会いましょ」
ベルモットは店を出て行った。
ウォ「兄貴アイツって…ファジーですかい?…」
ジ「フッ…お前がどれだけ天才だろうが……狼からにげるこたぁ……できねぇぜ…ファジー…」
182人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
靡(プロフ) - keikeiさん» これからもよろしくお願いします!! (2月19日 20時) (レス) id: 2fb0f9fe6b (このIDを非表示/違反報告)
keikei(プロフ) - わーい!楽しみです!"(ノ*>∀<)ノ (2月19日 19時) (レス) id: 1656e11f49 (このIDを非表示/違反報告)
靡(プロフ) - keikeiさん» keikeiさん、ありがとうございます!!。コメント嬉しいです!!。今続編を作成中です!! (2月19日 18時) (レス) id: 2fb0f9fe6b (このIDを非表示/違反報告)
keikei(プロフ) - もう好きです!更新楽しみにしてます! (2月19日 18時) (レス) @page47 id: 1656e11f49 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:靡 | 作成日時:2024年2月16日 13時