十と一 ページ11
「北斗、俺のことどう思ってくれてる？」
「へ？」
「あ、ごめんなんか、変な質問して。」
今の俺は豆鉄砲を食らった鳩のような顔をしているだろう。
ここで伝えるべきか、否か。
「…好きだよ。友達としてじゃなくて…そのなんて言うのかな…わかんねぇけど。」
「そっか、俺も好きだよ。北斗のこと。
多分この好きは同じ好きだけど、俺は北斗とは一緒になれない。迷惑かけちゃうから…ゴメン」
今、一喜一憂を一瞬で味わった気分だ。
どういう事なのか？小さい脳では理解ができない。
「ごめん樹。わかんねぇ。
わかんねぇけど、俺樹のこと支えるよ。
初めて会った時も、おれ迷惑だなんて思わないよ」
「…」
「ねぇ、樹？俺もあそこ行ってたから知ってる。
今辛いよね？樹を支えたい。簡単なことじゃないのは分かってる。でも今離れたら一生後悔する気がするんだ。お願い樹、詳しく教えて。それで、俺に支えさせてよ…」
気づいたら涙が止まらなくなってた。
樹のコトがいつの間にか大切で仕方なかったんだ。
「北斗、そんなに泣かないで。
俺のためにそんなに泣かないでよ…離れたく無くなっちゃう。」
俯く樹は泣いているのだろうか、、
そして、水分を多く含んだ樹の目が俺を捉えた。
「俺ね、密室が怖いんだ。
車もダメ…電車も、バスも。もちろんエレベーターだって。事故する可能性がありそうなものは一切。」
「…それはなんでか聞いていい？」
「俺が20歳の頃事故ってさ。別に怪我とかも無くて、何も残ってないんだよ？
でも5分間。たった5分間…車の中に俺だけが取り残されたんだよ。それが怖くて仕方なくて。ああ死ぬんだって、、、20歳にもなってなんだ、って感じでしょ？俺は怖くて仕方なかったんだ。サイレンの音が聞こえて、、、それから本当に何もかもダメ。乗るのも目の前にするのも自分じゃなくなるみたいに冷や汗が止まらなくて。だから、通勤も歩ける範囲にして、、」
樹は自嘲するような薄笑いを浮かべた…
自分の事じゃないのに心が苦しくて仕方なかった。
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なぁず(プロフ) - 名前しずくさん» 恥ずかしながら全くお話は進んでませんがそれでもよければ、結成日で読んでいただくことは可能です＾＾ (2021年9月6日 0時) (
レス) id: b3f7da6142 (このIDを非表示/違反報告)
名前しずく(プロフ) - ワンサマーラブというお話も読んでみたいのでパスワードを教えていただきたいです。お願いします。 (2021年9月5日 20時) (レス) id: 0ac6e112f4 (このIDを非表示/違反報告)
しずく - すごく面白いです！更新楽しみにしています。これからも頑張ってください。 (2021年4月30日 15時) (レス) id: 0ac6e112f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なぁず | 作成日時：2021年1月3日 0時
