keep going

34 樹side ページ34

あの日みんなで泣きあった後、
きょもは治療方針を考えるためにいろいろ検査したらしい。




樹「どうだった？」


京「やっぱり、進んじゃってたなあ
手に負えないみたい」




きょもは俯きながらはにかんだ


樹「…そっか」


京「厄介だよね。
でもさ、不思議と悲しいと思わなくなった。
前ならなんで俺がってみんなに当たってたけど、そう思わなくなった」


樹「なんで？」



京「んー、なんでだろうね
なんか先を見据えれるようになった。」

樹「先を？」


京「うん、治療を抗がん剤じゃなくて
緩和治療に変えようと思って」




緩和治療と聞いて俺はどう答えればいいかわからなかった。
実際俺の中で、緩和治療といえば
何故か、死を促してるようなイメージがあって
それを喜んでいいものなのか分からなかった。

でも、きょもをそれを察してくれたように、




京「樹？緩和治療はマイナスな物じゃないよ
逆に俺にとってはプラスなものなんだ。
俺は最期に苦しんで終わりたくないからね」

と、きょもは微笑んだ




樹「そっか、ならよかった」

京「ん、」

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