keep going (ページ3)

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2.3日経っても病院からの連絡はなくて、ちょっと安心した。
俺のソワソワ返せよ、正直何も無かったから連絡しにくいんじゃねーの？なんて思ったり。

病院から連絡があったのはそんなこと思ってた次の日、何かの意地悪なのか、6人全員で仕事だった。

自分のメイクが終わって楽屋に戻ると樹が俺の電話を掴んでて、画面を見ながら、鳴ってるなんて真顔でこっちみて来るからなんだか変な状況で吹き出しかけた。

見たこともない数字からの電話、
心臓が鳴り止まない。病院からだったら、悪戯電話の方がまだマシだ。

「…はい」
「京本さん、ご無沙汰しております。検査結果が出たのですが、、明日とかって…」
「……お久しぶりです。ああ、空いてます。明日ですね…11時頃とか、」
「では、11時にお待ちしていますね。」

電話が切れてもボーっとしていたら慎太郎にどうしたの？なんて言われた。
なんもない、って微笑んだら慎太郎は腑に落ちてない顔してそっか、なんて少し不貞腐れていて、鼻の奥がツンとした。

ーーーーーーー

「…今日は寒いですね」
「はあ、…まぁ、ちょっと」
「道は混んでましたか？」
「いやそんなに、」
「そっか、良かったですね…」

下手な世間話から始めた先生は俺に気を使っているのか、はたまたそういうタイプの先生なのか…
んー、っと唸った先生がじっくりと俺の方を見て、ふうと一息ついた。
なんでこの人が1番緊張しているのか、馬鹿みたいだけどやさしいのかなって。

「初めてじゃないんです、患者さんに自分の口から伝えるのは。でも、何故か京本さんには伝えたくなくて…嘘であって欲しかったんですかね、」

心がズキンと傷んだ。

「…俺、なんか病気なんですか、？」

肺癌、

そんな言葉が聞こえたのは数秒後なのかはたまた数分後だったのか。
自分の体に起こってることなのに、全然他人事にしか感じなくて、
何故か笑いが込み上げてきた。
笑っているのに、涙も出てきて、なんだか変な感じ。