太陽の沈みかけたこの世界で【オリジナル】 (ページ14)

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Ⅱ【其々のフクシュウ】ページ14

Ⅱ. 珠音side

あれから中学校に3人で戻ると、下駄箱の前に校長と溝口先生がいた。

溝口先生はなぜか泣いていた。

加奈美「なんかあったらどうしようって心配してたのよ？ほら、5月なんて誘拐事件が多くなるじゃない？...とりあえず、無事でよかった...」

...ったく、山で遭難して帰ってきたレベルのリアクションしないでよ。

5月に誘拐事件が増える根拠とかあんのかよ。

頭おかしいんじゃない？

校長「来宮さん、水北さん、桜田さん。今すぐ校長室に来なさい。」

...予想通り。

担任+校長＝校長室。

こんな計算式は小学生でも知ってるだろう。

『怒られる』

校長室の中の空気感はまさにそれを表していた。

校長「あなたたちは4コマも授業放棄したのよ？！どれだけ心配したと思ってるのよ！」

あー、はいはいーわかりましたよー

反抗期の私たちが更年期の校長の話を聞くなんて、生き地獄だ。

玲央奈「もう鬱陶しいったらありゃしない！だから教員免許取るのに7年もかかったのよ！」

玲央奈が校長にそう言い放った。

校長はハートに深い矢が刺さったようだ。

まあ、教員免許の話は初耳だけど。

校長「うっ...と、とにかく、今後こんなことがあったら停学処分よ！！いいわね！？｣

｢｢｢はーーーーい｣｣｣

玲央奈が素晴らしい矢を放ったおかげですぐに話が終わった。

溝口先生はまだ泣いてたけど...ね。

その後私たちは眠気と闘いながら授業を受けた。