Prologue 熾哀side ページ3
ジリリリリリリ！！
けたたましいベルの音が鳴る。
いつもと同じ朝。いつもと同じ音。
数年前から変わらない風景。それでいい。
私は目覚まし時計をとめ、ベッドから起き上がる。
午前6時。いつも通りだ。
日課となっているベランダの花の水やり完了。
メニュー通りの朝ご飯を作る前に、ぼんやりとしたまま洗面所へ向かう。
鏡に映るのは、特殊な灰色の髪。それから金と黒のオッドアイ。
いつも通り...だけど、いつも嫌な外見。
スタイルが嫌とか、顔立ちが嫌とかいうわけじゃない。
顔立ちは母譲りの美人だってことは昔からずっと言われてきてる。
だから多分、美人なんだろう。
嫌なのは髪と目の色。
どう考えたって、普通じゃない。
母譲りの灰色の髪。それは100歩...いや、1000歩譲って良しとしよう。
問題はこのオッドアイだ。
綺麗だとか言われても嬉しくない。この色は『戒め』。あの事を忘れないようにするための。
......いつも目を閉じれば浮かんでくる情景。
幸せな記憶。それを無理やり頭から追い払い、日課を済ませる。
足元あたりまである長い髪。
とかすだけで一苦労だ。
朝食も食べて、今日は学校に行くか否か決める。...行くか。久しぶりだしな。
今日で不登校連続10日目。10日経ったら学校に行く。これもいつも通りだな。
制服に着替える。今時には珍しいセーラー服。
少しずつ暖かくなってきた風に吹かれ、私は学校に向かう。
学校に向かう途中、これまた日課の考え事をする。あの事があった時から、ずっとの日課だ。
�爐海寮こΔ呂海錣譴�けだ。
大切なものは全てむかしに滅びてしまった。
......残っているものは全て無価値だ。
何故なら......��
そこまで考えて、私は我に返る。
まずいまずい。あまり感情的になりすぎるな。
今から行く場所は、私にとって安らげる所ではないのだから。
苦しむために、嫌になるために、行くのだから。
それが『戒め』として丁度いいから行っているだけ。安らいではいけない。救われてはいけない。
だって私は"大罪人"だから。
この世界に、私の居場所なんてない。
自業自得。はじめから全部分かってたくせに。
それでも心が勝手に救いを求める。
あの幸せな記憶に、すがろうとする。
どうして？
......どうしてだろう？
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壱話 �爐�ょうだい�瓩励�
��.「転校生のヤミ」珠音side
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作者名：SHINE・RYEHL x他1人 | 作者ホームページ：http
作成日時：2017年5月22日 20時
