小瀧さん(4) ページ4
智洋side
…自分自身が思っていた以上に良い経験になったお仕事だった。
このテンションで何か作詞作曲したいと思ったけれど、今日は照史との約束が入っている。
急がなければ。
Aを自宅で待たせているしな。
A「あ、トモおかえり！ 準備は万端だよ〜いつでも出発出来るよ！」
智洋「お、ただいま！ …お！準備ええやん。 じゃあ急いで行こ！お腹空いてるやろ？」
A「もうペコペコだよぉ。 本当まだかまだかと待ってたんだから笑」
一旦自宅に寄った俺は、お仕事に持っていくカバンを玄関に置いて、車の鍵と必要最小限の荷物を持つ。
A「あ、トモ！ これ！ 忘れ物！」
冷蔵庫からAがバタバタと走って持ってきたのは、手土産として購入した美味しいおつまみセット。
智洋「あ！ 忘れるところやった〜 Aナイスやわ、ありがとう！」
A「ん〜もう忘れもんないよね？ じゃあ照史くん家に行こー！」
智洋「お〜！」
地下駐車場に向かい、車に乗り込む。
俺は、大丈夫やって何度も言ってるねんけど、Aは頑なに後部座席に座るんだよなぁ。
前のドライブの時もやで？
そういうのって横でワイワイ喋ったりしたいやん？
でもAは、
A「大丈夫やって油断してる時が一番危ないんやから！ 『神山智洋』というアイドルに私のせいで傷がついて欲しくないの！」
智洋「んな…Aは俺の妹やん！ 彼女でもあるまいし！」
A「妹でも一緒に居るだけで嫌がる過激ファンも中にはいるやん！ 後は、私がバレたくないから！」
っていうから。
結局、Aが好きな様にやらせている。
ーーーーー
自動車で数十分。
照史が住むマンションに到着すると、地下駐車場の入口付近に見慣れた人影。
車の窓を開けて
智洋「照史〜！来たで！」
照史「おぉ！ 駐車場案内するから乗っけてもらって良い？」
智洋「あ、ええで！ 助かるわぁ」
照史が助手席に座り、ゲスト用の駐車場に案内してくれた。
照史「次、右折してもらってそのまま真っ直ぐで」
智洋「了解」
照史「モンチ、Aちゃんは…」
A「後ろです！」
照史「おうおう、外暗くなって来てたから気付かなかったわ笑」
A「なんでですか笑 絶対分かるでしょ」
照史「い〜や。分からんかった！」
A「じゃあ、信じますけど。」
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作者名：蘭夢 | 作成日時：2022年8月7日 22時
