秘密の場所(2) ページ16
Aside
車から降り立ってみたものの、周りには何もない。
私が立っている場所といえば、だだっ広い広場で。
そして夜やからか、山の中だからか…無人。
まぁ、空気は澄んでいて気持ち良いかな。
智洋「うん。雲もないし、良い天候やわ。」
何言ってんねんと思っていると、横でトモが空を見上げている。
私も釣られて上を向くと、そこには綺麗な星が。
東京にもこんな場所があったんだ。
ちょっとした感動をしていると、普段聞けないトモ自身の話をしてくれた。
智洋「ここさ、たまにやけど、ちょっと仕事で行き詰まったり考え物してるときに来んねん。」
A「…珍しいやん。 私にそんなことあんまり言わんくせに。」
智洋「そりゃ、あんまり心配かけたくないもん」
A「…やっぱりトモにもそんなことあるんやね」
智洋「勿論あるよ。 人間やもん。」
智洋「俺、お兄ちゃんやからAには何事にも完璧に見えてて欲しいねんけどな」
A「家族なんやし、言ってくれたら良いのに…」
智洋「今後は検討するわ。」
智洋「それよりもここの夜空、課題にどうよ?」
トモは決めた事には頑なだし、多分今後も重めな相談なんてしてくれないんだろうな。
でも、メンバーさんや気の許せる人に相談が出来ているんなら私が突っ込んで行く所じゃないよな。
正直、トモの心を落ち着けるここの場所には私も一目惚れしていた。
上には無数の星があって、真っ直ぐ視線を都心の方に向けると向こうに東京の街からであろう光の水平線が見える。
まるで慌ただしい毎日を第三者目線を持って俯瞰で見ているようだった。
A「私も気に入ったよ。 少し時間頂戴? ここの風景写真を撮るから。」
車内から、いつの間にかトモによって持ち出されていた一眼レフカメラを持ってきて、写真を撮っていく。
授業の演習では、日中の自然光や撮影スタジオでライトを使った状態で撮影してばっかだった。
だからなのか、完全に初見のシーンである暗闇・夜空の撮影は凄く難しく感じる。
”夜空 一眼レフ 綺麗な撮り方”って打ってググったり、授業でやった内容を思い出して自力で光の調節とか絞り値とかを色々調整して、どうしたら夜空が綺麗に写るのかトライアンドエラーを繰り返してみたり、そもそもの問題としてアングルをどうしようか悩んで、空と水平線をいい塩梅で撮影したり。
正直、トモは暇やったと思う笑
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作者名:蘭夢 | 作成日時:2022年8月7日 22時