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イヤーカフ(2) ページ30

Aside


ある日、リビングで課題をしていたらトモが突然フラッと隣に座ってきたかと思ったら急にマジマジと右耳を見てきた。


智洋「なぁ、」

A「ん?」

智洋「それってイヤーカフ?」

A「え?これ?そう。トモみたいな高いのは買われへんけどねぇ…」


トモは仕事OFFだったらしく、朝からのんびり家事とゲームをしていたけれど、私は学校から帰ってきてからも課題に追われていた。
頭の中が課題に侵されていたからか、今日に限ってアクセサリーを外して直すのを忘れていた。


智洋「いつの間に買ってたんよ。可愛いやん、似合ってんで。」

A「そんなん言われたら嬉しいやんか。」


いつかのお兄ちゃんと同じ反応をしてしまった。


智洋「でもさ、もうちょっと見えるようにしたらいいのに。髪の毛で隠れちゃってるやん、」


そう言って、髪の毛を掛けてくれるトモ。
そんなんサラッと出来るのイケメンだけやねんで?って思いながら、


A「ちゃうねん、バイト先さぁ、ホントは着けたらアカンから髪の毛で見えんようにしてんねん。」

智洋「そっかぁ、可愛いのに残念やわぁ…ていうかさ、ルール違反したらあかんやんか(笑)」

A「ちょっとぐらいええやんか、土日は品出しはするけれど、平日はレジしかしぃひんから危なないもん〜」

智洋「ふ〜ん、ならバレんようにするやっちゃな。」


ーーーーー




1週間後の夕方、私は自室で漫画を読んでいた。
すると。


智洋「なぁ、A〜ちょっとこっち来れる〜?」


リビングからトモの声がした。
トモに何かしたかなぁ?それか何かお使い事かな?


A「ちょっと待って〜!今行く!」





A「はいは〜い、お待たせしましたぁ」

智洋「そんな急がなくてよかってんけど…取り敢えずこれ、」


そう言って手渡されたのはブランド品のイヤーカフ。トモが良く買うブランド。絶対高いよな(笑)


智洋「これ、プレゼントやから。」

A「そんな、サラって渡されても…、これ…ブランド物じゃん。高かったでしょ?」

智洋「これぐらい全然えぇから。シンプルでいつも着けれそうなものをあげたかってん。これはいつものお返し。」

A「…嬉しいわぁ。ありがとう…。じゃあ、ついでにちょっと甘えたこと言うけど、トモが買ってきたやつを私の耳に着けて欲しい。」

智洋「うん、勿論それぐらいお安いわぁ。折角やからAが買ったやつもそのままにして、2連で付けとくな。」

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作者名:蘭夢 | 作成日時:2021年5月10日 0時

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