桃色の片思い (ページ10)

今日:11 hit、昨日:12 hit、合計:108,928 hit

10.人違いページ10

.

[ JAEHYUN SIDE ]

桃色の片思いだなんて
ユタヒョンに変な事を言われてから数ヶ月が経った

その言葉もせいで
余計に俺の頭の中はあの子でいっぱいだった

.

「ヒョン、寝れないの？」
「うん」

「考え事？」
「うん、多分そんなとこ」

.

何度も寝返りを繰り返していたからか
同室のジョンウがそう言ってきた

「お酒でも飲みに行く？」
「飲めないお前がそれを言う？」

「ヤー、気を遣ってあげたのに」

顔は見れないけど
いかにもほっぺをプクーッとしたような言い方

…彼女はこういう可愛い人がいいのかな？

明日はOFFだし
せっかくのジョンウの気遣いを無駄にするのもと思い

「行こうかな」
「むくむけどいいの？」

「お前、本当に気遣った言葉だった？」

.

でも、この俺の判断は正しかったんだ

.

『もう先輩帰りましょう
　日もまたぎました、家で寝た方がいいですって』

だって目の前に彼女が居るんだから

.

.

「あれ？あの子…」

彼女を見て
流石のジョンウも気付いたみたいだ

.

「シワン、さん」

気付けば俺はそう声を掛けていた

.

.

「んん！？誰アンタァ！？
　なんでこんなイケメンがアタシの名前知ってんのよぉ！」

「…は？」

.

しかし、反応したのは彼女では無く
その隣に居た、酔っ払いだった

…どういう事だ？

.

「ヒョン
　あの酔っ払いと知り合いだったの？」

「違、そうじゃなくて」

確かにあの時
彼女に名前を聞けばシワンと答えた

だけど、反応しているのはその隣人…何で？？？

.

「アンタ達…
　よく見たらジェヒョンとジョンウに似てる！」

「「！？！？！？！？！？！？！！？」」

.

ズカズカとやって来た、その酔っ払いは
俺とジョンウを目の前に大きな声でそう言った

その状況に
他の客の視線が自然とコチラに向く

.

『え！？ちょっと！？』

この状況を何とかせねばと
気付けば俺は、彼女の腕を引いていた

.

「ちょっとヒョン！？」
「その人連れて着いて来て」

違う、この状況を何とかせねばなんて思ってない
絶好の機会だって思っていたんだ

.