08.変化 ページ8
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[ 127 SIDE ]
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そんな一連の流れを見て
気付いてしまった人間が一人居た
「ジェヒョン、」
「…？」
「お前、もしかして
今日のあの子の事………･
「ち、違います！！！！」
「いや、まだ何も言うてへんて」
この関西弁が特徴の日本人メンバーユウタだ
彼は意外にも洞察力が優れている
.
彼女を目の前にした時
ジェヒョンの様子がいつもと違う事に気付いていた
.
「お前が女の子にタジタジになるのなんて
初めてなんちゃう？」
「タジタジになんてなってませんよ？」
「いやぁ、俺、見てたで
全然話してなかったやん」
「名前、聞きました」
「いや、名前だけやん！」
そう、彼女が最後にサインを書いて貰っていたのは
ジェヒョンだった。
あの長い沈黙の後に
唯一、名前だけ聞かれた不思議な時間帯
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「だ、だって
話掛けるのに勇気が必要だったんです」
(あれでも頑張りました)
「もうその回答がアウトやわ」
「？」
ジェヒョンは今、ほぼほぼ答えの様な発言をした
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「て事はやで」
「あの子をファンとして見れなかったって事」
「！？」
「ち、ちがう…！！」
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ユウタの言う様に
話掛けるのに勇気が必要だったと言う事は
彼は彼女の事を
ファンとして接しなかったと言う事だ
.
一人のファンと言うより
一人の人間として認識してしまった
それがどういう事かと言うのは
言葉にしなくても、ジェヒョンは理解が出来たみたいだ
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「茨の道に進むなぁ笑」
いやでも今日初めて会っただけで
もしかしたら、この気持ちはその時限りかもしれない
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まだ自分が＿＿＿＿＿とは言えない
.
「でも応援はするよ」
「えぇ！？ヒョンはそう思うんですか！？」
「おん」
「それに、あの子やったらいいかなって」
(いい子そうな気がするし)
.
お前の…ジェヒョンの
“桃色の片思い”を応援したいって思うかな
.
「…何ですか、その“桃色の片思い”って」
「我ながらキマった！って感じやわ〜」
「いや、でも片思いちゃうな
“桃色の一目惚れ”やわ」
「んな！？！？」
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作者名：きみしぐれ
| 作成日時：2023年1月14日 11時
