桃色の片思い (ページ48)

今日:12 hit、昨日:12 hit、合計:108,929 hit

48.戯れ言の制裁ページ48

.

「さっきから言おうと思ったんですけど」

その状況を遮るように
聞こえたジェヒョンさんの声

.

「Aさんの言っている事は
　正しいと思いますよ」

(現にヘチャンがずっとあのままだし)

『！』

.

そう言いながら
何故か彼は私の頭を撫でながら話を続ける

その行動に驚き
背の高い彼を見上げるように上を見る

.

「ジェヒョン、手…」

もちろん、その行動は彼女も驚いた
…と言うか心底ありえないと言ったような表情でコッチを見た

.

「ん？何です？」

「だ、だから手！！！！！」

.

「あぁ、コレですか？
　よく言えましたと思って撫でました」

『…そうなの？』

.

「ヌナ相手によく言えたよ、偉い偉い」

.

そう言ってまたも、微笑みながら頭を撫でる

もしかしてジェヒョンさんって
私の事、動物か何かだと思ってる？(違う)

.

.

『…』

…でも、相手がどんな人であれ
私の事を肯定してくれる事は凄く嬉しい事だ

久々な感じがする

.

『…ありがと、』

ここは素直にお礼を言おうと思い、言葉にする

その言葉が癪に障ったのか
いや、違うな。私と言う存在がもうダメなんだ

.

「…ジェヒョンまで何よ、
　こんな女なんかの味方なんかしちゃって」

「アンタのせいよ！！！！！
　アンタのせいで私が悪者に仕上げられたのよ！！」

.

もう誰にも止められない程
彼女は怒り狂って、コチラを罵倒し始めた

この人は今までどうやって仕事をしていたのだろう

私の思考は、彼女に罵倒されている事ではなく
彼女に対する圧倒的不信感でいっぱいだった

.

「Aさん、大丈夫？」

『あ、うん
　どうすれば仕事に戻ってくれるかなって』

「はは、Aさんらしい」

.

.

.

「そこまで」

「「！！」」『？』

背後からキリッとした声に
彼女とジェヒョンさんの背筋が伸びた気がした

.

「一部始終を見させて貰ったわよ」

よく見ると、その声の持ち主は
私をここまで連れてきたあの女性だった

.

「貴方はそうやって
　今まで何人もの人を追い込んでいたのね」

「い、いえ…！」

「スタイリストとして
　人として最低な事をしているわ」

「もうウチの職場に来なくていいわ
　今までご苦労様」

「そ、そんな！！！！！！！」

そして何とその場で彼女を解雇にしたのだ

.