桃色の片思い (ページ46)

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46.好きな人の前ではページ46

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[ JAEHYUN SIDE ]

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少し、困った顔をしているAさん

突然俺が
しっかりと意思表示をしているからだろう

(でも本当の事だしね？)

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別に猫を被っていたつもりもない

強いて言えば、彼女がこの場に来た瞬間
一番に話せなかった事がきっかけなのかもしれない

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遠慮なんかしていたら
どんどん他の人に奪われてしまう

そう直感が働いたから
誰にも遠慮をしないと思ったんだ、もちろんAさんにも

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そんな風に思っていた矢先に
俺の思考は遮られた

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「あら、ジェヒョン
　メイクが終わったのね？」

「…アリンヌナ、」

背後から聞こえた声は
Aさんの声ではなくて、アリンヌナの声だった

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『…』

チラッと横を見れば
平然な顔をして、俺達を見ているAさん

…この子は意外と強いのか？

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「ジェヒョン、
　もうちょっと待ってて頂戴」

「そしたらすぐ貴方の番にするから」

そして視線を再度、元に戻すと
アリンヌナはニコッと笑い、そう言った

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「どんな髪型がいいかしら」

「どんなって言われても…」

「一応、ヌナなりに考えてはいるんだけど
　もし、ジェヒョンの要望があるなら
　貴方の要望通りにするわよ」

「あー…、
　考えておきます」

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先程の言葉で
俺とアリンヌナの会話は終了するかと思えば
だらだらと続いた

ちょっと早くどいてくんない？
俺、Aさんと話がしたいんだけど？

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「ちなみね、ヌナの考えは…」

え？まだ続く？
俺が面倒くさそうにしているのが分からない？

俺の導火線は、縮む一向だった

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『あの、』

そんな中、今度はAさんが遮った

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「…何よ、」

『早く戻った方がいいんじゃない？』

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「はぁ！？何よアンタ！！！
　私に向かって、意見を言うなんて良い度胸じゃ無い」

『だって、仕事最中…』

「だからぁ！
　ちゃんと本人には待っててと言ったってば！」

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確かに今のアリンヌナは
担当していたヘチャンを置いて、ここで俺と話をしている

彼女が担当している人を置いて
誰かに話掛けに行く事なんて

俺等からしたら
朝飯前の事ではあるんだけど

普通に考えれば、ありえない事だ

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『仕事、なめてる？』

だけど、この一言が
アリンヌナの導火線に一気に火を付けた

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