桃色の片思い (ページ42)

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42.現場到着ページ42

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[ YOU SIDE ]

現場に到着し、まず、言葉を失った

『あ、あの…！
　契約内容をお話ししたと思うんですが…！』

「貴方、この状況でまだそんな事、言う？」

「確かに貴方の契約内容は聞いていたし
　なるべく要望に応えると言ったわ」

「この状況を見てそう言うのであれば
　…貴方、スタイリスト失格」

『…』

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私の目の前に居たのは
私がSMアイドルの中でよく知っている人物達だった

「お、Aちゃんやん！」

「A！？」

「ピンチヒッターってAちゃんだったのー！？」

それはNCT127の皆さん、

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だけど、私の契約内容には
残念だけど、彼らは対象外となっている

それを伝えれば
スタイリスト失格と言う残酷な言葉を言われる

…分かってる、分かってるよ

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そんな一々、あれはダメだ、これはダメだと
自分で線引きなんかしていたら
一人前のスタイリストなんかになれないし

…いつかクビを切られる事だって覚悟していた

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だけど、スタイリスト失格と
目を見て本気で言われた時、沸々と込み上げてきた思い
それは、間違い無く“悔しい気持ち”だった

『…すいません
　前言撤回して貰ってもいいですか？』

『私がやる』

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いつもなら、熱くなることを諦めて
事が大きくならないように、身を引いていた自分が
こんな事を言っている事に驚いた

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「…貴方に何があったかは聞かないわ
　だけど、どこかで殻を破らないと
　一生、卵のままになるわよ」

「そんなの勿体ないでしょ？？？」

私自身を熱くするのには十分な材料だった

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「とりあえず
　貴方を含め、2人にヘアスタイルをお願いするわ」

「2人で話合って
　誰がどの子を担当するのか決めて頂戴」

「…頑張るのよ、A」

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そう言って去って行った

…何で私の名前を知っていたんだろう、
私は彼女の名前を知らないのに

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ふーっと一息つけば

「ちょっとアンタ、」と声を掛けられた

『えっと、』
「私NCT127を担当しているアリンって言うわ」

『私は＿＿＿』
「あぁ、アンタの事は知ってるから大丈夫
　今SMで話題の日本人」

『…』

ちょっと嫌みっぽく言われ
その一言で何となく察した…うん、この人とは合わないと思う

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